【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

関連記事

【UNICORN・川西幸一】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.10

【Oasis（オアシス）・Alan White】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.21

【UVERworld・真太郎】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.10.23

【Sean Moore】Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ） 始めに

Sean Mooreはウェールズ出身のロックバンド、Manic Street Preachersのドラマーとして知られています。彼のドラミングスタイルは精密で力強く、バンドのパンクロックからアート・ロック、オーケストラルな要素まで幅広い音楽性を支える重要な役割を果たしています。Mooreはトランペット奏者としての経験も持ち、その音楽的素養がリズムセクションに独特の深みを与えています。

Manic Street Preachersは1986年に結成され、政治的・社会的メッセージ性の強い歌詞と多彩な音楽スタイルで知られるバンドです。特に「A Design For Life」や「If You Tolerate This Your Children Will Be Next」といった代表曲において、Mooreのドラミングはメロディアスでありながらもパワフルなサウンドを支える基盤となっています。彼のテクニカルなプレイは、バンドのサウンドに不可欠な要素となっています。

Mooreはいとこであるギタリスト/ボーカルのJames Dean BradfieldやベーシストのNicky Wireとともに、バンドのオリジナルメンバーとして長年活動を続けています。彼のドラミングは、シンプルさと複雑さを併せ持ち、メロディックなフレーズと強いビートの融合が特徴的です。特にバンドの初期のパンクロック的な激しさから、後のより洗練された音楽性への変化においても、その適応力の高さを示しています。

YouTubeでSean Mooreのプレイをチェック → こちら

使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

マニック・ストリート・プリーチャーズのドラマー、Sean Mooreは多彩なドラムセットを使い分けています。2000年代のメインキットとして使用していたYamahaの「Recording Custom」は22×18インチのバスドラム、10×8/12×9インチのタムタム、16×16インチのフロアタムというサイズ構成で、メイプル材の温かみのある音色が特徴です。一方、Ludwigの「Vistalite」はアクリル素材の透明な外観が目を引くヴィンテージキットで、明るく抜けの良いサウンドを生み出します。

録音スタジオではPearlの「Masters Custom」を好んで使用し、メイプル素材の深みのあるサウンドで楽曲に厚みを加えています。また、イギリス製のPremier「Custom Series」は22×16インチのバスドラム、12×9インチのタム、16×16インチのフロアタムというコンパクトながらパワフルなセットアップで、バーチ材の明瞭なアタック感がツアーでの演奏を支えています。

Tamaの「Starclassic」シリーズはメイプルとバーチの混合構造により、低音の豊かさと中高域の明瞭さを兼ね備えたパワフルなサウンド特性を持ち、22×18インチのバスドラム、12×10インチのタムタム、16×16インチのフロアタムという構成で、バンドの重厚なサウンドと絶妙にマッチしています。Moore自身のダイナミックなプレイスタイルに合わせて、これらのキットを状況に応じて使い分けています。

使用ドラムセット（シェル）機材表【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

使用スネアドラムの種類と特徴【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

マニック・ストリート・プリーチャーズのドラマー、Sean Mooreはライブパフォーマンスでは主にLudwigのLM402アルミスネア（14×6.5インチ）をメインに使用しています。コーテッドアンバサダーとカスタム20本のスナッピーの組み合わせにより、明瞭なアタックとバランスの取れたサスティンを実現。一方、スタジオレコーディングではTamaのStarphonic Maple（14×6インチ）を好んで使用し、ヴィンテージアンバサダーとピュアサウンド20本のスナッピーによって温かみのある自然な音色を引き出しています。

特別なレコーディングセッションでは、1968年製Ludwig Super Symphonic（ブラスシェル、14×5インチ）を起用。パワーセンターヘッドと16本オリジナルスナッピーの組み合わせで、ヴィンテージ感あふれる艶やかな音色を得ています。バックアップとしてはLudwig Supralite（スチール、14×5.5インチ）を常備し、エンペラーXヘッドとスーパー42本スナッピーの組み合わせで、万が一の機材トラブルにも対応できる安定感を確保しています。

スタジオ録音の際には、Ludwig Black Beauty（ブラス、14×6インチ）も活用。エンペラーコーテッドヘッドと42本スナッピーの組み合わせにより、深みのあるローエンドとクリアなハイエンドを両立させています。Mooreは曲の雰囲気や録音環境に合わせて、メタルとウッドのスネアを使い分け、バンドのサウンドに多様性をもたらしています。

使用スネアドラム機材表【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

使用シンバルの構成と種類と特徴【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

Manic Street Preachersのドラマー、Sean Mooreのセットアップは、一貫してPaisteシンバルで構成されています。中核となるのは20″の2002 Rideで、輪郭が明確な音色と安定感のあるピンポイントなアタックが彼のプレイスタイルを支えています。また、14″の2002 Sound Edge Hi-hatはクリアなオープンサウンドとシャープなクローズ音が特徴で、彼の繊細なハイハットワークに不可欠です。

クラッシュシンバルには18″のSignature Paiste Crashと16″の2002 Crashを採用。前者はオーケストラの暗さを醸し出す独特の音色で、後者はアタックの良さと豊かな中音域が特徴です。アクセント用には12″のSignature Splashを使用し、曲の要所で明るく鋭いアクセントを加えています。

さらに特徴的なのが、エフェクト系シンバルとして18″のPSTX Crashと20″の2002 Chinaを装備している点です。PSTXは複雑な倍音を持つ特殊なクラッシュで、Chinaはエッジの効いた個性的な音色を提供します。これらを巧みに使い分けることで、Manicの楽曲に欠かせない多彩な音色とダイナミクスを生み出しています。

使用シンバル機材表【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

マニック・ストリート・プリーチャーズのドラマー、Sean Mooreは安定性と信頼性を重視したハードウェア構成を採用しています。キックペダルにはDW 5000 Seriesを使用し、ライブでの安定した踏み心地と耐久性を確保。特にバンドの激しいライブパフォーマンスにおいて、長時間のセットでも一貫した反応を維持できる点を重視しています。

ハイハットスタンドはSonor製を選択し、その精密なフットコントロール機能によって繊細な表現が可能に。シンバルスタンドにはツアーでの耐久性を考慮したTama Roadproを採用し、スネアスタンドには堅牢な構造のMapex Falconを使用しています。これらの組み合わせにより、ライブ中の安定したプレイを実現しています。

ドラムセットはイギリス製のPremier Genistaをベースに、Pearl Tom Holderで振動を最小限に抑え、サウンドクオリティを向上。Gibraltar Hardwareのラックシステムを部分的に取り入れることで、機材配置の自由度を確保し、長時間の演奏でも快適なポジショニングを維持するためにRoc-N-Soc Nitroのドラムスローンを愛用しています。

使用ペダル・ハードウェア機材表【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

マニック・ストリート・プリーチャーズのドラマー、Sean Mooreは安定性と信頼性を重視したハードウェア構成を採用しています。キックペダルにはDW 5000 Seriesを使用し、ライブでの安定した踏み心地と耐久性を確保。特にバンドの激しいライブパフォーマンスにおいて、長時間のセットでも一貫した反応を維持できる点を重視しています。

ハイハットスタンドはSonor製を選択し、その精密なフットコントロール機能によって繊細な表現が可能に。シンバルスタンドにはツアーでの耐久性を考慮したTama Roadproを採用し、スネアスタンドには堅牢な構造のMapex Falconを使用しています。これらの組み合わせにより、ライブ中の安定したプレイを実現しています。

ドラムセットはイギリス製のPremier Genistaをベースに、Pearl Tom Holderで振動を最小限に抑え、サウンドクオリティを向上。Gibraltar Hardwareのラックシステムを部分的に取り入れることで、機材配置の自由度を確保し、長時間の演奏でも快適なポジショニングを維持するためにRoc-N-Soc Nitroのドラムスローンを愛用しています。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

Sean Mooreはマニック・ストリート・プリーチャーズのパワフルかつ精密なドラミングで知られ、スネアには独特の工夫を施している。打面はやや高めのチューニングで張り、裏面はやや緩めにセッティングすることで、ロックサウンドの芯となる「パキッ」としたアタック音を確保。特に”The Holy Bible”や”Everything Must Go”録音時には、スネアの打面外周部にムーンジェルを小さく配置し、不要な倍音を抑制しながらも、バンドの暗めの世界観に合った芯のある音を実現している。

レコーディング時のミックス処理では、スネアに250〜400Hzをやや持ち上げて太さを出しつつ、3〜5kHzのアタック感を強調。タムには100Hz付近にゲートをかけてブーミーさを抑え、キックには60Hz周辺のローエンドを保ちながら4kHz付近をブーストして、ジェームス・ディーン・ブラッドフィールドのギターとの周波数衝突を避けている。コンプレッサーは比較的軽め（3:1程度）に設定し、自然な音圧変化を残しつつもソリッドな印象を維持している。

ライブとレコーディングでは明確に異なるアプローチを取り、ライブではアタックと音圧を重視。特にアリーナ規模の会場では、キックのアタック感を6〜8kHzで強調し、スネアには軽いゲートをかけて残響を制御している。対照的に、”This Is My Truth Tell Me Yours”など後期のレコーディングでは、スネアの残響時間を意図的に長く設定し、バンドの拡張された音楽性を表現。シンバルは通常よりやや高い位置に配置し、ミックス内での分離感を高めている点も特徴的だ。

比較的安価に音を近づける機材【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

Manic Street Preachersのドラマー、Sean Mooreのパワフルかつ安定感のあるドラミングは、Yamaha Recording Customのメイプルドラムでの鮮明な音色が特徴です。入門セットとしては、Pearl Masters Customの小口径構成が比較的手頃な価格で近いサウンドを実現できます。特にメイプルシェルの10インチ、12インチのタムと16インチのフロアタムの組み合わせは、Mooreの緻密なフィルインを再現するのに適しています。

スネアドラムについては、Premier Custom Seriesのバーチスネアが、彼の鋭いバックビートを手頃な価格で表現できるでしょう。また、Ludwig Vistaliteのようなアクリルスネアも検討価値があり、Mooreの音楽性を表現するのに役立ちます。シンバルセットアップは控えめながら、Tamaのハードウェアパッケージは耐久性があり、初心者でも安心して使えるコストパフォーマンスの高い選択肢となります。

フットワークについては、Sean Mooreが使用するようなプロフェッショナルなダブルペダルは高価ですが、Starclassicシリーズの廉価モデルでも似た操作感を得られます。特に「Everything Must Go」や「This Is My Truth Tell Me Yours」のアルバムにみられるような曲調には、Premier Custom Seriesのバーチキットが音色的にマッチするでしょう。録音時はYamahaやPearlのメイプルキットを意識すると、より本格的なサウンドに近づけます。

比較的安価に音を近づける機材表【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

ライブセットアップについて【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

Sean Mooreは通常、ステージ中央後方に配置されたドラムセットを操り、バンドのリズムセクションの要として機能している。彼のドラムキットは比較的シンプルな構成ながら、特徴的な太いスネアサウンドを生み出すセッティングが特徴的だ。ライブではジェームス・ディーン・ブラッドフィールドとニッキー・ワイアーの間に位置することで、視覚的にも音楽的にもバンドの結束点となっている。

マイキングについては、スネアの上下、キック内部、各タムに個別マイクを設置する王道的なセッティングだが、オーバーヘッドマイクの位置が通常より高めに設定され、シンバルの粒立ちを重視した音作りを実現している。特にバンドの代表曲「A Design For Life」では、彼の正確なタイミングとダイナミックレンジの広さが際立っており、マイクセッティングがその表現力を最大限に引き出している。

代表的なライブ映像では、2001年のカーディフ公演や2018年の「Resistance Is Futile」ツアーがMooreの技術を堪能できる見どころだ。特に「Motorcycle Emptiness」でのタイトなハイハットワークと繊細なシンバルワークは必見である。バンドの初期作品と後期作品でのプレイスタイルの変化も興味深く、初期のパンクスタイルから、より洗練されたアプローチへの進化がライブ映像から読み取れる。

総括まとめ【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

Sean Mooreはマニック・ストリート・プリーチャーズのドラミングを支える重要な存在で、バンドのオルタナティブロックサウンドに欠かせない要素となっている。彼のドラミングは力強さと繊細さを併せ持ち、James Dean Bradfieldのギターワークと絶妙に調和している。

Mooreのドラムセットアップはシンプルながらも効果的で、特に彼のスネアサウンドは鋭いアタックと適度な余韻を持つ。シンバルワークも特徴的で、ライブではニュアンス豊かなライドシンバルの使い方が目立つ。バンドの初期のパンクテイストから後期の壮大なアレンジまで、幅広い表現力を持つ演奏スタイルを確立している。

彼の演奏アプローチは機材よりもテクニックと表現力を重視しており、バンドの楽曲の本質を引き出す奏法に重点を置いている。トラックによってはホーンセクションの編曲も担当するなど音楽的な幅広さも持ち合わせており、単なるドラマーの域を超えた音楽性がマニック・ストリート・プリーチャーズのサウンドに深みを与えている。

本記事参照サイト【Manic Street Preachers（マニック・ストリート・プリーチャーズ）・Sean Moore】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Blackstar Amplification – Featured Artist
• FUJI ROCK EXPRESS
• Shinko Music – Publisher