【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

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【Neil Peart】Rush（ラッシュ） 始めに

カナダのプログレッシブ・ロックバンド「Rush（ラッシュ）」のドラマーNeil Peartは、テクニカルな演奏と哲学的な歌詞で知られる伝説的なミュージシャンです。彼の緻密で複雑なリズムパターンと圧倒的なテクニックは、多くのドラマーに影響を与えてきました。特に巨大なドラムセットを駆使した演奏スタイルは、ロック史に残る革新的なアプローチとして評価されています。

Peartのドラミングは精緻なフィルインと多彩なリズム変化が特徴で、タイムキープの正確さと表現力の豊かさを兼ね備えています。彼は「Tom Sawyer」や「YYZ」などの代表曲で、複雑な拍子や変拍子を自在に操り、バンドサウンドの要として機能していました。また、パーカッションを取り入れた独創的なソロパフォーマンスも彼の魅力の一つです。

Rushの音楽性はプログレッシブロックの枠組みの中で、ハードロック、ヘヴィメタル、ニューウェイブなど様々な要素を融合させた革新的なものでした。Peartの複雑なリズムワーク、Geddy Leeの特徴的な高音ボーカルとベースプレイ、Alex Lifesonの多彩なギターワークが絶妙に絡み合い、独自の世界観を創り上げていたのです。その音楽性は時代を超えて多くのミュージシャンに影響を与え続けています。

YouTubeでNeil Peartのプレイをチェック → こちら

使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

ラッシュのドラマー、ニール・パートは長いキャリアを通じて様々なドラムセットを使用してきました。キャリア初期はSlingerlandのメイプルキットを使用し、そのクリームカラーのドラムは1970年代前半のバンド加入時のサウンド形成に重要な役割を果たしました。1980年代初期には、Tamaのバーチ製「Moving Pictures Kit」に移行し、このセットアップは22インチのバスドラムに多数のタムを組み合わせた彼の代表的なサウンドを確立しました。

2000年代に入るとDWと契約し、「Vapor Trails Kit」や「Time Machine Tour Kit」など複数のメイプル製キットを使用。特に「Snakes & Arrows Kit」では360度回転するラックシステムという革新的なセットアップを採用し、彼の演奏スタイルに新たな次元をもたらしました。これらのDWキットはメイプル材特有の温かみのある音色と優れた音の伸びが特徴でした。

キャリア後期の「Clockwork Angels Tour Kit」では23インチバスドラムを採用し、さらに深みのあるサウンドを追求。最後のツアーとなった2015年のR40では「R40 Chrome Drum Kit」を使用し、24インチの大口径バスドラムと多数のタムを配置した壮大なセットアップで、彼の技巧的かつダイナミックな演奏スタイルを完全に表現しました。パートのドラムセットは単なる楽器を超え、彼の音楽的進化と革新性を象徴するものでした。

使用ドラムセット（シェル）機材表【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

使用スネアドラムの種類と特徴【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

ラッシュのドラマー、ニール・パートは長いキャリアを通じて複数のスネアドラムを使い分けていました。彼のメインスネアとして知られる Ludwig Supraphonic LM402（アルミ製14×6.5インチ）は70年代から長年愛用され、明瞭なアタックと抜群の音抜けが特徴でした。初期のラッシュではSlingerland Artist Model（メイプル製14×5.5インチ）を使用し、温かみのあるウッディなトーンを活かしていました。

後期のツアーでは、Drum Workshopの様々なスネアも活躍。R30ツアーではDW Collector’s Series Exotic（ココボロ製14×6インチ）を使い、深みのあるトーンを実現。Time Machine Tourでは、Solid Bronze Snare（ブロンズ製14×6.5インチ）を採用し、42本のスナッピーワイヤーによる豊かなサスティンを持たせていました。R40ツアーではDW Edge Brass Snare（真鍮製14×6.5インチ）を使用しており、パンチのあるアタックと輝かしい音色が特徴でした。

さらに特別なモデルとして、カナダ150周年を記念したSolid Brass 24 Carat Gold Plated（真鍮・金メッキ製14×5インチ）も使用。これは42本のスナッピーワイヤーと相まって、輝かしい音色と繊細なレスポンスを実現していました。パートはスネア選びにおいて、各時代の音楽性に合わせた音色とレスポンスを重視し、レモのコーテッドヘッドを標準的に採用していました。

使用スネアドラム機材表【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

使用シンバルの構成と種類と特徴【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

プログレッシブ・ロックの巨匠ニール・パートは、特徴的なシンバルセットアップで知られています。その中心となるのはPaisteの2002シリーズで、17″、18″、19″のクラッシュシンバルと22″のライドシンバルを使用。2002シリーズは明るく鋭いアタックと豊かなサスティーンを持ち、複雑なリズムパターンや急激な音量変化が特徴のRushの楽曲に完璧にマッチしています。

パートのセットには8″のPaiste 2002スプラッシュも含まれており、素早いアクセントに活用されています。また、13″のPaiste Alphaハイハットは、タイトな閉じ方とクリアなオープンサウンドでRushの精密なリズムワークを支えています。さらに独特な音色を加えるために、19″のSabian NOVOチャイナシンバルをサスペンドスタイルで配置し、エキゾチックなアクセントを生み出しています。

彼の革新的なセットアップを完成させるのが、7″のZildjian Cup Chimeベルシンバルです。この小さなベルシンバルは、鮮明で存在感のある高音のピンポイントアクセントを加えることができます。パートのシンバル選択は、彼の技術的な正確さと音楽的な表現力を完璧に反映しており、多彩な音色パレットを持つプログレッシブ・ドラマーとしての彼のアイデンティティを形作る重要な要素となっていました。

使用シンバル機材表【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

ニール・パートは精密で応答性に優れたDW 5000キックペダルを選び、複雑なロックフレーズでも安定したコントロールを実現していました。大規模なライブツアーでは、同じくDW 5000 Seriesのダブルペダルを使用し、「La Villa Strangiato」などの技巧的な曲でも安定したプレイを可能にしていました。また、DW 5000 Seriesのハイハットスタンドは、パートの繊細なフットワークに対応する滑らかなアクションが特徴です。

彼の巨大なドラムセットを支えるハードウェアとして、Gibraltarの大型カスタムラックシステムを採用していました。このラックはRIMSマウンティングシステムと組み合わせ、タムの共鳴を最大限に引き出しながらも安定した配置を実現。特に後期のキットでは、DW 9000 Seriesのシンバルブームスタンドを多用し、複数のシンバルを最適な位置に配置することができました。

長時間に及ぶ複雑な演奏をサポートするため、Gibraltarのドラムスローンを使用し快適な演奏姿勢を維持。またTama Roadproシリーズのスネアスタンドとタムホルダーは、激しいプレイスタイルでも楽器をしっかりと固定し、ツアーの過酷な環境下でも高い信頼性を発揮していました。パートの緻密なセッティングは、彼の卓越した技術と革新的なアプローチを支える重要な要素となっていました。

使用ペダル・ハードウェア機材表【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

ニール・パートは精密で応答性に優れたDW 5000キックペダルを選び、複雑なロックフレーズでも安定したコントロールを実現していました。大規模なライブツアーでは、同じくDW 5000 Seriesのダブルペダルを使用し、「La Villa Strangiato」などの技巧的な曲でも安定したプレイを可能にしていました。また、DW 5000 Seriesのハイハットスタンドは、パートの繊細なフットワークに対応する滑らかなアクションが特徴です。

彼の巨大なドラムセットを支えるハードウェアとして、Gibraltarの大型カスタムラックシステムを採用していました。このラックはRIMSマウンティングシステムと組み合わせ、タムの共鳴を最大限に引き出しながらも安定した配置を実現。特に後期のキットでは、DW 9000 Seriesのシンバルブームスタンドを多用し、複数のシンバルを最適な位置に配置することができました。

長時間に及ぶ複雑な演奏をサポートするため、Gibraltarのドラムスローンを使用し快適な演奏姿勢を維持。またTama Roadproシリーズのスネアスタンドとタムホルダーは、激しいプレイスタイルでも楽器をしっかりと固定し、ツアーの過酷な環境下でも高い信頼性を発揮していました。パートの緻密なセッティングは、彼の卓越した技術と革新的なアプローチを支える重要な要素となっていました。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

Neil Peartはタムのチューニングに特徴があり、打面をやや高め、裏面をさらに高く張ることで、明確な音程と短い減衰を実現していました。スネアは1970〜80年代はテープによるミュートが特徴的でしたが、後期はムーンジェルを控えめに使用し、クリアでアタック感のあるサウンドを追求。バスドラムは内部にフェルトやタオルを配置して適度な減衰を与え、プログレロックに必要な明瞭なダブルキックを表現していました。

ミックスにおいては、スネアは3-5kHz帯を+3dB前後ブーストしてアタック感を強調し、200Hz付近を絞ることでタムとの干渉を軽減。タムは400-800Hz帯の中低域を豊かに保ちながら、ハイハットとシンバルは10kHz以上の高域を持ち上げて空間的な広がりを表現。特にMoving Picturesアルバム以降は、軽いゲーティングとステレオ定位の工夫により、複雑なフレーズでも各打楽器の分離が明確になっています。

レコーディングとライブでは異なるアプローチを採用し、スタジオではコントロールされたルームマイクの使用と緻密なEQによって繊細さを追求。一方、ライブでは600-800Hzを若干カットし、2-3kHzを強調することでアリーナでも埋もれない存在感を確保。特に晩年のR30ツアー以降は、デジタル処理を活用して残響を抑え、より乾いたアタックを前面に出したサウンドメイクへとシフトしていきました。

比較的安価に音を近づける機材【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

ニール・パートのサウンドを手頃な価格で再現するには、彼が長年愛用したDWドラムキットの特徴を押さえることが重要です。初心者向けには、メイプル素材の22インチバスドラムと複数のタムを備えた中級セットが基本となります。彼の代表的なセットアップであるTama製Moving Picturesキットを参考に、メイプルやバーチ素材のシェルを選ぶことでウォームな音色に近づけることができるでしょう。

スネアドラムとシンバル選びも重要で、パートはDW時代の豊かな倍音が特徴的でした。初期には彼はSlingerlandのスネアを使用していましたが、中級者ならDWの入門モデルでも十分似た音を表現できます。彼の複雑なリズムパターンを再現するには、レスポンスの良いペダルも必要で、特に彼のR40ツアーやTime Machineツアーで使用していた機材を参考にするとよいでしょう。

セットアップの規模に関しては、パートの巨大なキットをすべて揃える必要はありません。Vapor Trailsツアーで使われていた比較的シンプルなDW構成（22インチバスと4〜5個のタム）を参考にすると、コストを抑えつつ彼のダイナミックな演奏スタイルに近づけます。重要なのは正確なタイミングとダイナミクスの表現であり、高価な機材よりも練習に時間を費やすことがパートサウンドへの近道となるでしょう。

比較的安価に音を近づける機材表【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

ライブセットアップについて【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

ニール・パートのドラムセットはステージ中央からやや右寄りに配置され、360°取り囲む壮大なセットアップが特徴です。特に後期のセットアップでは電子パーカッションを含む多数のパーカッションを背後に配置し、時計回りの動線を意識したレイアウトでした。「Moving Pictures」ツアー以降は赤色の「Tama Artstar II」や「Drum Workshop」など、時代によってキットを進化させていきました。

マイキングについては細部まで徹底したこだわりがあり、各タムやスネアには個別マイクを設置。オーバーヘッドマイクも複数使用し、繊細かつパワフルなサウンドを実現していました。特筆すべきは各シンバルへの個別マイキングで、彼の複雑なシンバルワークを確実に拾うための工夫がなされていました。ライブエンジニアとの緻密な連携により、スタジオクオリティに近い音響を実現していたのです。

代表的なライブ映像としては「Exit… Stage Left」や「R30」が挙げられます。特に「YYZ」や「La Villa Strangiato」のパフォーマンスでは、ドラムソロへのシームレスな移行と、両手両足を駆使した超絶技巧が見どころです。「Time Machine Tour」の映像では、スイング感あふれるジャズアレンジの「Tom Sawyer」も必見。ニールの圧倒的なテクニックと共に、楽器間の絶妙な距離感で作られた音響空間も注目ポイントとなっています。

総括まとめ【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

ニール・パートの音作りの核は、精密なテクニックと豊かな表現力にある。プログレッシブ・ロックの先駆者として複雑なリズムパターンと卓越したタイム感を駆使し、Rush独自の壮大なサウンドスケープを構築した。彼の音楽性は単なる技巧派に留まらず、曲の物語性を重視した構成力と哲学的な深みを備えていた。

再現ポイントとして、まず大型のマルチピースドラムセットが特徴的で、彼のセットアップは常に進化し続けた。スネアは明瞭なアタックと豊かな響きを両立させ、様々なシンバルを巧みに使い分けることで繊細な音色のグラデーションを表現。特にライドシンバルの複雑なパターンとハイハットのニュアンスは彼の代名詞とも言える要素だった。

しかし、パートは機材への依存よりも基礎技術の習得と表現力の向上を重視していた。どんな機材であっても自分らしい音を出せる確固たる演奏哲学を持ち、常に学び続ける姿勢を貫いた。彼のレガシーは特定の機材よりも、ドラムという楽器の可能性を広げた革新的アプローチと創造性にこそ存在している。

本記事参照サイト【Rush（ラッシュ）・Neil Peart】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Roland Official Media
• Wikipedia
• Drums Magazine
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