【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

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【Jay Weinberg】Slipknot（スリップノット） 始めに

Jay Weinbergは、ヘヴィメタルバンドSlipknot（スリップノット）のドラマーとして2014年から2023年11月まで在籍していました。彼の前任者Joey Jordisonの後を継ぎ、強烈なダブルバスドラムと高速ブラストビートを駆使した激しいプレイスタイルで知られています。精密なタイミング感覚と爆発的なパワーを兼ね備え、Slipknotのアグレッシブなサウンドを力強く支えていました。

Weinbergはテクニカルなフットワークと複雑なリズムパターンを得意とし、特に『Unsainted』や『Nero Forte』などの楽曲では彼の卓越したスキルが際立っています。彼のプレイは速さだけでなく、ダイナミクスの幅広さとグルーヴ感も特徴的で、Slipknotの音楽に新たな次元をもたらしました。

Slipknotはヌーメタルの代表的バンドとして、激しいリフとボーカル、実験的なサウンド、そして衝撃的なビジュアルで知られています。Weinbergのドラミングは、バンドのカオティックでありながら緻密な音楽性を完璧に補完し、『.5: The Gray Chapter』『We Are Not Your Kind』『The End, So Far』といったアルバムで彼の貢献が顕著に表れています。

YouTubeでJay Weinbergのプレイをチェック → こちら

使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

Slipknotのドラマー、Jay Weinbergは複数のドラムブランドを使い分けています。初期にはPearl Masters Custom MCXを使用し、その後はSJC Custom Drumsをメインに据えました。SJCでは22×18インチのキックドラムを基本に、大型の24インチキックを備えたPathfinderなど特注モデルも愛用。これらメイプルシェルの特徴を生かし、Slipknotの激しい音楽性に合わせた力強いサウンドを実現しています。

ライブパフォーマンスではDW Collector’s Seriesも使用し、TAMA Starclassic Mapleではバースト系カラーのセットを好んで採用。どのキットも基本構成は22インチキックドラム、10/12インチタムタム、16インチフロアタムという編成で、メイプル材の温かみと鳴りの良さを重視しています。タムのアタックと低域の両立がSlipknotの曲調に適しているようです。

近年ではPearl Reference Pureもツアーで使用しており、その精密な音作りを評価。また、SJCとのコラボレーションにより、13×9インチタムと16/18インチフロアタムという特徴的な構成も取り入れています。これらのドラムキットはいずれもメイプルシェルを採用し、重厚かつ明瞭な音色でSlipknotの複雑なリズムワークを表現するのに最適な選択となっています。

使用ドラムセット（シェル）機材表【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

使用スネアドラムの種類と特徴【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

Jay Weinbergの主力スネアはSlipknot在籍時に使用していたPearlのBlack Brass Snare（14×6.5）で、ブラスシェルとEvans G2クリアヘッドの組み合わせにより、重厚なメタルサウンドに最適な鋭いアタックと豊かなサスティンを実現している。レコーディング時にはYamahaのEdge Brass（14×5.5）をHD Genera Dryヘッドと42スパイラルスナッピーで使用し、コントロールされた明瞭な音色を得ている。

ライブでは主にTamaのSLP Aluminum（14×6.5）をRemo Emperor Xヘッドとカスタムスナッピーの組み合わせで多用し、アルミシェルならではの抜けの良さとパワフルなサウンドを活かしている。シグネチャーモデルとしてSJCのArtist Signature（ステンレス・14×6.5）も所有しており、Remo Controlled Soundヘッドとカスタムスナッピーによる個性的な音作りを追求している。

バックアップとしてTamaのStarphonic Maple（14×5）をRemo Emperor Xヘッドと20本スナッピーで用意し、メイプルならではの温かみのある音色のオプションも確保。また、Slipknot加入前はTamaのArtstar Custom（メイプル・14×6.5）をメインに使用し、Remo Powerstroke 3ヘッドとノンコーテッドスナッピーで柔らかさと芯のあるサウンドを追求していた。

使用スネアドラム機材表【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

使用シンバルの構成と種類と特徴【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

Jay Weinbergは、極限のヘヴィネスを追求するSlipknotのドラマーとして、Sabianのシンバルを徹底的に活用しています。セットの中心となるのは、14″のAAX X-plosionハイハットで、激しい演奏の中でも存在感を失わない生音が特徴です。クラッシュシンバルは17″、18″、19″とサイズの異なるAAX X-plosionを複数配置し、アタックの強い高音域から中音域までバランスよくカバーしています。

ヘヴィミュージックに欠かせない個性的な音色として、21″ HH Mega Bell Rideを採用。際立ったベル音がバンドサウンドの中でも埋もれることなく響き渡ります。さらに19″ AA Holy Chinaは特にトラッシュメタルに適した破壊的なサウンドを生み出し、Slipknotの攻撃的な楽曲に不可欠な要素となっています。

エフェクト系では10″ AAX Splashの抜けの良い音色と、10″ AA Sick Stackのノイジーでユニークなサウンドが加わります。特にSick Stackは独特のトラッシュサウンドを生み出し、Slipknotの複雑なリズムパターンにおいて重要な役割を果たしています。これらSabianのシンバル群が、Weinbergの高速かつパワフルな演奏スタイルを支え、Slipknotの重厚な音世界を創り出しています。

使用シンバル機材表【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

Jay Weinbergは激しいプレイスタイルに対応するため、TAMAのSpeed Cobra 910ダブルペダルを主に使用しています。以前はSpeed Cobra 1st Genを愛用していましたが、現行モデルの長いフットボードによるパワーとスピードを重視し変更。この選択はSlipknotの高速で激しい楽曲に必要な俊敏性と耐久性を確保しています。

スタジオレコーディングやリハーサル時にはRoland KD-9キックペダルとFD-9ハイハットコントローラーも使用。電子ドラム環境でも本番同様の踏み心地を再現するためです。スティックはVATERの彼のシグネチャーモデルExtended Playを使い、高い耐久性を確保しています。

ハードウェアはTAMA製品で統一し、Roadproシリーズのシンバルスタンドとハイハットスタンドを採用。これらはツアーでの激しい使用に耐える堅牢性が特徴です。MS636スネアスタンドの安定感とMTH909タムホルダーの確実な保持力により、彼の激しいプレイスタイルでも安定したセッティングを維持できています。

使用ペダル・ハードウェア機材表【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

Jay Weinbergは激しいプレイスタイルに対応するため、TAMAのSpeed Cobra 910ダブルペダルを主に使用しています。以前はSpeed Cobra 1st Genを愛用していましたが、現行モデルの長いフットボードによるパワーとスピードを重視し変更。この選択はSlipknotの高速で激しい楽曲に必要な俊敏性と耐久性を確保しています。

スタジオレコーディングやリハーサル時にはRoland KD-9キックペダルとFD-9ハイハットコントローラーも使用。電子ドラム環境でも本番同様の踏み心地を再現するためです。スティックはVATERの彼のシグネチャーモデルExtended Playを使い、高い耐久性を確保しています。

ハードウェアはTAMA製品で統一し、Roadproシリーズのシンバルスタンドとハイハットスタンドを採用。これらはツアーでの激しい使用に耐える堅牢性が特徴です。MS636スネアスタンドの安定感とMTH909タムホルダーの確実な保持力により、彼の激しいプレイスタイルでも安定したセッティングを維持できています。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

Jay Weinbergは、メタルサウンドの要となるタイトで攻撃的なドラムサウンドを追求しています。彼はスネアドラムの打面をやや高めに張り、裏面はそれよりも緩めにチューニングすることで、鋭いアタック感と適度な残響を両立させています。バスドラムは低音の抜けを重視し、フロントヘッドにポートホールを設け、内部にはピロー（枕）を入れて余計な倍音を抑制。タムは打面と裏面をほぼ同じテンションに調整し、各タムの音程差を明確にしつつ、ムーンジェルを1〜2枚使用して持続音をコントロールしています。

ミックス面では、スネアドラムは3〜5kHz帯域をブーストして「カッ」というアタック感を強調し、200〜400Hz付近を若干カットして音の分離を良くしています。バスドラムは60〜80Hz帯域を強調して迫力を出しつつ、4kHz前後をブーストしてビーターのアタック感を出しています。タイトな音作りのため全体的に強めのゲート処理を施し、コンプレッションはスレッショルドを低く、レシオを4:1前後に設定。「The End, So Far」のアルバムではパンニングを広めに取り、空間系エフェクトを抑えることで楽器間の分離を明確にしています。

ライブとレコーディングでは明確な違いがあり、ライブではアタックを強調し、よりパンチのあるサウンドを目指しています。ローランドの電子パーカッション「RT-30」を使用してアコースティックドラムにトリガーを併用し、ライブでの安定したサウンドを確保。一方レコーディングでは、よりナチュラルなアコースティックサウンドを活かしつつ、後処理でタイトに仕上げる傾向があります。特に「We Are Not Your Kind」以降のアルバムでは、シングルペダルの機敏さを活かした細かいフットワークと、それを明確に再現するための緻密なEQ処理が特徴的です。

比較的安価に音を近づける機材【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

Jay Weinbergのようなパワフルかつメタリックなドラムサウンドを手頃な価格で再現するには、Pearl Masters Custom MCXが理想的な選択肢です。メイプルシェルを採用したこのキットは、Weinbergが初期に使用していたモデルで、力強い低域と明確な中高域を備えています。Pearl Reference Pureも良い選択肢ですが、予算に余裕がない場合はMCXシリーズから始めるのがおすすめです。

スネアドラムとシンバルの選択も重要で、TAMAのスネアを使用すれば、Weinbergのサウンドに近づけることができます。彼はTAMA Starclassic Mapleキットも愛用していたことがあり、特にバースト系カラーのものを好んで使用していました。シンバルセットアップには強めのクラッシュを複数配置し、アタック感のある明るめのライドを選ぶとよいでしょう。

キックペダルは反応性の高いモデルを選ぶことがポイントで、DW Collector’s Seriesのドラムキットとともに使われるDWのペダルは非常に信頼性が高いです。SJC Drumsのような高級カスタムキットは予算的に難しい場合が多いですが、Pearl製のキットにアタック感のあるヘッドを使用し、チューニングを工夫することで、Weinbergのアグレッシブなサウンドに近づけることができます。

比較的安価に音を近づける機材表【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

ライブセットアップについて【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

Jay Weinbergのステージセットアップは圧倒的な存在感を持ち、通常Slipknotのステージ中央後方に配置される。彼の巨大なドラムセットはバスドラム2台、多数のタム、複数のシンバルで構成され、ステージ上の視認性を高めるため若干高い位置に設置されることが多い。セット全体は360度囲むような形状で、激しいパフォーマンスでも安定したプレイができるよう設計されている。

マイキングに関しては、Slipknotのヘヴィなサウンドを再現するため、バスドラムに複数のマイクを使用し低音の迫力を確保。スネアには上下からマイクを配置し、鋭いアタックと豊かな響きを捉える工夫がされている。またオーバーヘッドマイクを複数配置することで、広がりのあるシンバルサウンドを実現し、ライブパフォーマンス全体の立体的な音響を構築している。

代表的なライブ映像では、「Psychosocial」や「Duality」などの演奏中、マスクを着用しながらも驚異的なスピードと正確さを維持する姿が印象的。特に両足のダブルバスドラムテクニックと複雑なリズムパターンの正確な再現性は見どころだ。また、彼特有の激しいスティックワークと身体全体を使ったダイナミックな演奏スタイルは、カメラワークによって捉えられることが多く、Slipknotのエネルギッシュなパフォーマンスの中核となっている。

総括まとめ【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

Jay Weinbergのドラミングは、前任者Joey Jordisonのスタイルを尊重しながらも自身のアグレッシブかつテクニカルな要素を加えた独自性が光る。彼の音作りの核はスリップノットの激しさとグルーヴ感の両立にあり、力強いダブルバスとブラストビートの正確な演奏技術が特徴的だ。

再現ポイントは、低めにセットされたスネアの鋭いアタックと豊かな倍音、大口径のフロアタムによる重低音、そしてライドシンバルの明瞭なピンポイントな音色だ。特にスネアワークの緻密さと爆発力のあるキックワークのバランスがスリップノットサウンドの要となっている。

注目すべきは彼の機材依存しない姿勢だ。様々なブランドを使用しながらも自分の音楽性を表現することを最優先し、常に演奏技術の研鑽に努めている。どんな機材でも自分らしさを表現できる技術力こそが、彼の真の強みであり、若いドラマーへの大きな示唆となっている。

本記事参照サイト【Slipknot（スリップノット）・Jay Weinberg】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Drums Magazine – Jay Weinberg、ROLANDとのエンドースメント契約を発表
• Drums Magazine – SLIPKNOT、アルバム「THE END, SO FAR」リリース
• Wikipedia – スリップノット
• 島村楽器 – Jay Weinberg シグネイチャースティック「VHJW908」