【toe・柏倉隆史】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

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【柏倉隆史】toe 始めに

柏倉隆史は、数学的な精度と独創的なリズム感覚を兼ね備えたドラマーとして知られています。インストゥルメンタル・バンド「toe」の中核メンバーとして、複雑なポリリズムとダイナミクスの妙を駆使した演奏スタイルで国内外から高い評価を受けています。

彼の特徴は、繊細かつパワフルなスティックワークと、ジャズからポスト・ロックまで幅広い要素を融合させた独自のドラミングにあります。特にハイハットとスネアの絶妙な組み合わせによるリズムパターンは、toeの楽曲において欠かせない要素となっています。

「toe」の楽曲「グッドバイ」や「My Little Wish」などでは、柏倉のリズムセクションがバンドサウンドの骨格を形成し、時に主旋律さえも担っています。彼のテクニカルでありながらも音楽性豊かなアプローチは、多くのドラマーたちの憧れとなっているのです。

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使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【toe・柏倉隆史】

柏倉隆史氏はバンド「toe」で多彩なドラムセットを使い分けています。メインとなるキットは Canopus の NV60-M Artstar Custom で、22×16/12×8/14×14/16×16 というサイズ構成のメイプル製キット。コンテンポラリービンテージシリーズの特性を活かした温かみのある音色が特徴です。また Type-S Maple (22×14/12×9/16×16)は高い投影性とドライさを持ち、ライブでの抜けの良さを重視する場面で活躍しています。

スネアドラムに関しては、TKT-1465AL3 という彼のシグネチャーモデル(14×6.5インチ、アルミ製)を愛用。特に toe 結成25周年を記念した「toe 25 TKT-1465AL3」は同じ仕様ながら限定モデルとして製作されました。また Wood Hoop というメイプル製の14×4.5インチモデルも柏倉氏のカスタムモデルとして知られています。

さらに Type-R (22×16/10×8/12×8/14×14/16×16)も使用しており、このメイプル製キットは歌心と繊細な表現が持ち味です。柏倉氏の特徴的なプレイスタイルに合わせ、曲想や会場によって複数のドラムセットを使い分け、多様な音楽表現を可能にしています。特にメイプル材の温かさを基調としながらも、状況に応じて音の投影性やアタック感を調整しています。

使用ドラムセット（シェル）機材表【toe・柏倉隆史】

使用スネアドラムの種類と特徴【toe・柏倉隆史】

toe結成25周年を迎えた柏倉隆史は、主に自身のシグネチャーモデルであるCanopusの「TKT-1465AL3」をメインに使用しています。アルミ製14×6.5インチ、42本スナッピー、Remo Ambassador Coatedヘッドの組み合わせにより、ドライで芯のある音を実現。また、シグネチャーの「岩石木魂 槻」は、ケヤキ材の温かみと力強さを併せ持ち、深い響きが特徴です。 ライブやレコーディングの状況に応じて、メタルスネアとして「The Light Brass」も使用。真鍮製14×5インチ、20本スナッピー、Evans G1 Coatedヘッドにより、明るく粒立ちの良い音色を引き出しています。一方、ウッドスネアとしては「Type-R」や「Neo Vintage NV60M」を使い分け、メイプル材の豊かな中域と暖かみのある音色で楽曲に変化を持たせています。 2023年には限定の「toe 25th Anniversary Model」も登場し、アルミ素材ながらも明瞭な音色が特徴です。柏倉の繊細かつダイナミックな演奏スタイルに合わせ、浅めのスネア（5〜5.5インチ）から深め（6.5インチ）まで使い分け、スナッピー本数（20〜42本）による音色コントロールを重視したスネアドラム選択となっています。

使用スネアドラム機材表【toe・柏倉隆史】

使用シンバルの構成と種類と特徴【toe・柏倉隆史】

柏倉隆史（toe）はシンバルセットアップにIstanbul Agop OMシリーズを中心に採用しています。14″ハイハットは軽量設計によりスティックレスポンスに優れ、繊細なフットワークとタイトなクローズ音が彼の特徴的なプレイスタイルを支えています。18″と20″のOMクラッシュは、toe特有の繊細かつダイナミックな楽曲展開に合わせて使い分けられています。

中心となる22″OMライドは、暗めで複雑な倍音特性を持ち、数々のpost-rockサウンドを創り上げる重要な要素となっています。柏倉のプレイスタイルではライドのベル部分からエッジまで幅広く叩き分け、多彩な音色変化を生み出しています。これらの独特な音色がtoeのサウンドに深みを与えています。

さらに、エフェクト用として8″スプラッシュと18″チャイナも使用。特にスプラッシュシンバルは短いアクセント、チャイナは音楽的な転換点での効果音として活用されています。全体として、柏倉のシンバルセットアップはダークでドライな音色が特徴で、複雑なリズムパターンと繊細なダイナミクスを表現するための音色設計となっています。

使用シンバル機材表【toe・柏倉隆史】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【toe・柏倉隆史】

toeのドラマー柏倉隆史は、安定性と操作性に優れたハードウェア選定にこだわりを持っています。キックペダルにはDW 9000を愛用し、そのダイレクトな踏み心地と素早いレスポンスが彼の緻密なフットワークを支えています。同じくDWのハイハットスタンド9000も採用しており、安定した演奏性と精密な操作感が柏倉のテクニカルなプレイを可能にしています。

スネアスタンドはシグネチャースネアドラムに合わせてMAPEXのATLASを使用し、堅牢さと調整の自由度を確保。タムのポジショニングにはTAMAのCL1クランプを活用して、自身の理想的な配置を実現しています。シンバルスタンドはTAMAのREGULARストレートスタンドをライブで、YAMAHAのMSA-201ブームスタンドを録音時に使い分け、さらにPEARLのCS750も複数のシンバルをセッティングする際に重宝しています。

バックアップとしてPEARLのSS745Aスネアスタンドも用意し、万全の体制で臨むプロフェッショナリズムが伺えます。そして長時間の演奏でも快適さを保つためにSonorのDrum Throne 6000を使用し、安定した座り心地で集中力を維持しています。これらのハードウェア選定からは、繊細かつダイナミックなtoeのサウンドを支える柏倉の細部へのこだわりが見て取れます。

使用ペダル・ハードウェア機材表【toe・柏倉隆史】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【toe・柏倉隆史】

柏倉隆史氏のハードウェア選択は、繊細かつテクニカルな演奏を支える重要な要素となっています。キックペダルはDWの9000を愛用しており、トゥバンドtoeの複雑なリズムパターンを正確に表現できるスピードと反応性が特徴です。同じくDWの9000ハイハットスタンドも採用し、安定した演奏性を重視した選択となっています。

シンバルスタンドはTAMAのREGULARストレートスタンドをライブで使用する一方、YAMAHAのMSA-201ブームスタンドは録音時に配置の自由度を確保しています。PEARLのCS750ストレートシンバルスタンドも複数のシンバル設置に活用されており、繊細なセッティングが可能です。スネアスタンドはMAPEXのATLASをシグネチャースネアに使用し、PEARLのSS745Aをバックアップとして準備しています。

さらに、長時間のセッションやライブでの安定したパフォーマンスを支えるのがSonorのDrum Throne 6000です。TAMAのCL1クランプを使用してタムのポジション調整を行うなど、細部まで計算されたセッティングが、彼の緻密なプレイスタイルを支えています。特筆すべきは、ラックシステムではなく個別のスタンドを組み合わせる構成で、細やかな配置調整を可能にしている点です。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【toe・柏倉隆史】

柏倉隆史氏のドラムサウンドは精緻なチューニングから成り立っています。特にシグネチャースネア「TKT-1465AL3」では、打面をやや高めに張り、裏面は少し緩めにすることで、シャープなアタックと適度な余韻を両立させています。トムではムーンジェルを1〜2枚使用して不要な倍音を抑制し、キックドラムには内部にマフラーを入れることで低域（60〜80Hz）を強調しながらも、サスティーンをコントロールしています。数学的な複雑なリズムパターンを明瞭に表現するために、各パーツの分離感を重視したチューニングが特徴です。

レコーディングでは、スネアに400Hz付近をやや持ち上げ、2.5kHz〜4kHzのアタック感を強調したEQ処理を施しています。キックには80Hz周辺の低域を豊かにしつつ、4kHz付近にピークを作ることでビーターのアタックを明確に出しています。さらに、マスタリングエンジニアと緻密に連携し、トム類には200〜250Hz帯域の鳴りを保ちながら、コンプレッサーは比較的控えめな設定（4:1程度のレシオ、やや遅めのアタックタイム）で自然な音圧感を維持。定位は左右対称に広がるパノラマ配置で空間的な広がりを表現しています。

ライブとレコーディングでは異なるアプローチを取り、レコーディングでは各マイクにゲートをかけて分離感を高め、ライブではよりオープンな設定でエネルギーと空気感を大切にしています。特にtoeの緻密なインタープレイを活かすため、ライブではスネアの6〜8kHzを若干持ち上げることで他の楽器とのバランスを取りながらも存在感を確保。柏倉氏は「音の分離感とグルーヴ感のバランスが重要」と語り、キックとスネアの関係性を特に重視したサウンドメイキングを心がけています。

比較的安価に音を近づける機材【toe・柏倉隆史】

柏倉隆史氏が使用するCanopusドラムの特徴である透明感のある音色は、中~高価格帯のメイプルシェルキットで代用できます。Pearl Decade MapleやTAMA SuperstarなどのキットにEvans G2クリアヘッドを組み合わせると、比較的手頃な価格で近いサウンドが得られるでしょう。タムのチューニングを高めにし、軽いタッチでの演奏を心がけることで、toe特有の繊細なドラミングの再現に近づきます。

スネアドラムは彼のシグネイチャーモデルの特徴であるアルミシェルの明るい音色を目指すなら、Ludwig Acroliteや比較的安価なアルミスネア（Pearl Sensitone等）が選択肢になります。シンバルはMeinl Byzance系の繊細な音色が特徴ですが、予算を抑えるならZildjian A CustomやIstanbul Mehmetといったミドルレンジのシンバルでも、柏倉氏のようなシンバルワークを意識することで雰囲気を掴めるでしょう。

フットワークの再現には安定したペダルが必要で、中級機種のDW 3000やPearl Demonator辺りがコスパ良く対応できます。最終的には機材よりも演奏技術が重要で、柏倉氏の特徴である繊細なダイナミクスコントロールとタイトなリズムキープを練習することが、toe風サウンドへの最短距離となります。音作りはマイキングや録音環境も大きく影響するため、シンプルなセッティングから始めることをお勧めします。

比較的安価に音を近づける機材表【toe・柏倉隆史】

ライブセットアップについて【toe・柏倉隆史】

柏倉隆史（toe）のライブセットアップは、シンプルながら緻密な構成が特徴的です。ドラムキットはCanopus社製を愛用し、特にシグネチャースネアドラムTKT-1465AL3（14×6.5インチ）をセンターに配置。ステージでは、他の楽器とのバランスを考慮し、ドラムセットを若干斜めに設置することが多く、観客からも演奏フォームが見やすい位置取りを心掛けています。

マイキングについては、スネアの上下、キックの内外、タムトップにそれぞれ近接マイクを設置し、繊細なダイナミクスを捉える配置が特徴です。特にシンバルワークの表現力を重視し、オーバーヘッドマイクは左右対称かつ高めに設置されることが多く、広がりのある音場を形成しています。ライブではシンバルとスネアの絶妙なバランスを重視したマイク調整が行われています。

代表的なライブ映像では、複雑なポリリズムとダイナミクスの緻密なコントロールが見どころです。特に「New Sentimentality」や「Goodbye」などの演奏では、軽やかなフットワークと繊細なスティックコントロールが注目ポイント。25周年記念モデルドラムキット導入後のライブでは、アルミシェルならではの抜けの良い音色と、ルックスの美しさも相まって、演奏の視覚的魅力も高まっています。

総括まとめ【toe・柏倉隆史】

柏倉隆史の音作りの核は、繊細かつダイナミックな表現力と卓越したテクニカルプレイにある。Canopusとのコラボレーションで生まれたシグネチャーモデルは、彼の独自のドラミングスタイルを体現している。

再現ポイントとして、彼のセットアップはサイズ選定と正確なチューニングが重要で、特にスネアドラムは14×6.5インチのアルミシェルによる抜けの良さと粒立ちが特徴的。シンバルワークも繊細なニュアンスを活かした選択と設置がポイントとなる。

しかし柏倉は機材に依存しすぎない姿勢も持ち、どんな環境でも自身の音楽性を表現できる技術を重視している。彼のアプローチは、機材選びよりも奏者としての表現力と技術を磨くことの大切さを示唆している。

本記事参照サイト【toe・柏倉隆史】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• CANOPUS Drums Official Site
• DRUMS MAGAZINE
• DRUMS MAGAZINE
• 島村楽器 Drums News