【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

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【矢野博康】Cymbals（シンバルズ） 始めに

矢野博康は、日本のニューウェイブムーブメントを代表するバンド「Cymbals（シンバルズ）」のドラマーとして知られています。彼のプレイスタイルは、正確なタイミングと洗練されたテクニックに裏打ちされ、バンドのサウンドの土台を支えていました。特にミニマルなアプローチながらも曲のグルーブ感を高める独自のセンスが光ります。

Cymbalsの楽曲において矢野のドラムは、硬質でクールなポストパンクサウンドを形作る重要な要素となっています。「The Pleasure of Life」や「四季」といった代表曲では、シンプルながらも効果的なドラムビートで楽曲を推進し、バンドの特徴的な都会的サウンドを確立する役割を果たしました。

1980年代初頭に結成されたCymbalsは、洗練された音楽性と都会的な感性で日本の音楽シーンに新風を吹き込みました。矢野博康のドラミングは、西欧のポストパンクやニューウェイブの影響を咀嚼しながらも、独自の美意識に貫かれた日本的なアプローチで、バンドの国際的な評価にも大きく貢献したと言えるでしょう。

YouTubeで矢野博康のプレイをチェック → こちら

使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

Cymbals（シンバルズ）のドラマー矢野博康は、主に TAMA のドラムセットを愛用していました。特に TAMA ARTSTAR Custom（22×14/13×9/16×16、メイプル）はヴィンテージモデルとして彼の主力セットとなり、バンドサウンドの核を担っていました。また TAMA STAR Classic（22×16/12×8/16×16、メイプル/バーチ）も使用し、ウォームなサウンドで楽曲に温かみを与えていました。

80年代には TAMA ARTSTAR ES（22×18/12×9/16×16、メイプル）も使い、そのパワフルな音色でバンドのエネルギッシュな楽曲を支えました。レコーディングでは Premier Signia（22×16/10×8/12×9/16×16、メイプル）も活用し、イギリス製ならではの独特の鳴りを楽曲に取り入れていました。

さらに Pearl Masters Custom（22×16/12×10/16×16、メイプル）のクリアな高音域を生かした繊細な演奏や、Ludwig Classic Maple（22×14/13×9/16×14、メイプル）の温かみのあるトーンも時折取り入れていました。矢野はこれらのドラムを楽曲の雰囲気に合わせて使い分け、Cymbalsのサウンドに多様性と深みを与えていました。

使用ドラムセット（シェル）機材表【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

使用スネアドラムの種類と特徴【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

Cymbalsの矢野博康は主にLudwig LM402アルミスネアをメインに使用し、その特徴的な抜けの良いサウンドがバンドのリズム隊を支えています。14×6.5インチのサイズとピンストライプヘッド、20本のスナッピーによる明瞭なアタックとコントロールされたサスティンは彼のプレイスタイルに最適です。また、同じLudwigのBlack Beautyも重厚なサウンドが必要な楽曲で活用されており、ブラスブラックニッケル素材とアンバサダーコーテッドヘッドの組み合わせが特徴的です。

ウッド系スネアとしては、TAMAのARTSTARメイプルスネアとYamahaのRecording Customバーチスネアを状況に応じて使い分けています。ARTSTARはメイプル特有の温かみのある音色が特徴で、Recording Customはスタジオレコーディングでの正確な音の再現性に優れています。また、オーストラリア産の高級木材ジャラを使用したBrady Jarrahスネアも、独特の中音域の豊かさで特定の曲では重宝されています。

サブスネアとしてはPearlのJuniorスティールスネアを採用しており、10×4インチというコンパクトなサイズながら、アンバサダーヘッドとカスタムスナッピーによる鋭いアタックが特徴です。これらのスネアを状況に応じて使い分けることで、Cymbalsの多様な音楽性に対応した音作りを実現しています。

使用スネアドラム機材表【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

使用シンバルの構成と種類と特徴【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

Cymbals（シンバルズ）の矢野博康は、Zildjianを中心に多彩なシンバル構成を採用している。70年代にアクセル・フジオカが愛用していた15″のK Zildjianハイハットは貴重な一品で、彼のサウンドの要となっている。ライドには、シチュエーションに合わせて19″ Paiste Rideと20″ K Zildjian Flat Rideを使い分け、特に後者は伝統的なジャズドラマーが好んだドライで繊細なピンポイントのサウンドを提供している。

クラッシュシンバルは18″ K Zildjianを基本に、甘く豊かな倍音の特性を活かしている。また19″ Zildjian Sizzleはボトムをリベット加工してサスティーンを効かせた独特の揺らぎを持つ音色が特徴だ。さらに18″ Zildjian China Boy Highはトラッシュサウンドで楽曲に個性をプラスし、小粋なアクセントには10″ Zildjian Splashを効果的に使用している。

矢野のセッティングはZildjianのKシリーズを中心にした落ち着きのあるダークなトーンと、Paisteの明るさを併用することで、Cymbalsのサウンドに幅広い表現力を与えている。特に70年代製ビンテージシンバルの温かみのある音色が、バンドの楽曲世界観を支える重要な要素となっている。

使用シンバル機材表【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

矢野博康は演奏スタイルに合わせたハードウェアを選定しています。キックには力強いプレイに定評のあるTamaのCobra 900を基本に据え、アップテンポな楽曲ではSpeed Cobraダブルペダルを活用することでスピーディなフットワークを実現。特にライブでのダイナミックな表現を支えるペダルの踏み心地を重視しています。

スタンド類はYAMAHA製を中心に構成され、SS745Aスネアスタンドの安定感、HC72WNハイハットスタンドのレスポンスの良さ、CS665Aシンバルスタンドの使いやすさが特徴です。特にハイハットワークの繊細なニュアンスを表現できるフットボードの反応性を重視した選択となっています。

スタジオやライブではPearl Rack Systemを導入し、TH945Bタムホルダーとの互換性を活かした効率的なセッティングを実現。長時間の演奏でも疲れにくいYAMAHAのDS840ドラムスローンを使用することで、Cymbalsの特徴的なグルーヴを支える体制を整えています。

使用ペダル・ハードウェア機材表【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

矢野博康は演奏スタイルに合わせたハードウェアを選定しています。キックには力強いプレイに定評のあるTamaのCobra 900を基本に据え、アップテンポな楽曲ではSpeed Cobraダブルペダルを活用することでスピーディなフットワークを実現。特にライブでのダイナミックな表現を支えるペダルの踏み心地を重視しています。

スタンド類はYAMAHA製を中心に構成され、SS745Aスネアスタンドの安定感、HC72WNハイハットスタンドのレスポンスの良さ、CS665Aシンバルスタンドの使いやすさが特徴です。特にハイハットワークの繊細なニュアンスを表現できるフットボードの反応性を重視した選択となっています。

スタジオやライブではPearl Rack Systemを導入し、TH945Bタムホルダーとの互換性を活かした効率的なセッティングを実現。長時間の演奏でも疲れにくいYAMAHAのDS840ドラムスローンを使用することで、Cymbalsの特徴的なグルーヴを支える体制を整えています。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

矢野博康は繊細かつパワフルな演奏を実現するため、タムはピッチ差を明確にしたチューニングを採用。スネアは打面を高め（約380Hz付近）に張り、裏面はやや緩めに調整することで、シャープなアタックと適度な芯を両立させている。また、バスドラムは低域（60-80Hz）を豊かに保ちながら、ビーターのアタック（2-4kHz帯）が明瞭に出るよう工夫。必要に応じて薄めのムーンジェルをスネア外周に配置し、不要な倍音を抑制している。

レコーディング時のミックス処理では、スネアに200Hz付近を若干カットし、5-7kHzを+2〜3dB程度ブーストしてスナップ感を強調。シンバル類は12kHz以上を適度に持ち上げることで煌めきを引き出しつつ、400-600Hz帯を抑えて濁りを除去する。ゲート設定はアタックタイムを極限まで短く（1ms以下）、リリースは曲調に応じて50-200ms程度に設定。ステレオ定位は実際のセットアップに近い自然な配置を基本としている。

ライブとレコーディングでは明確な使い分けがあり、ライブではスネアのリム周辺を叩くリムショットを多用し、よりパンチのある音作りを心がける。一方レコーディングでは、繊細なダイナミクスや音色の変化を重視。特にシンバルワークは、レコーディングでは残響をコントロールするためにタッチを抑え気味にし、ミックス処理で明瞭さを確保。バランス的にライブではドラム全体を若干明るめのEQで処理するのに対し、録音ではより自然な音像を意識している。

比較的安価に音を近づける機材【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

Cymbals（シンバルズ）の矢野博康サウンドを手頃な価格で再現するなら、彼の主力セットであるTAMA ARTSTAR Customのメイプルシェルの特性を理解することが大切です。この往年のヴィンテージモデルが持つ温かみのある音色は、比較的安価なTAMA ARTSTAR ESでも近づけることが可能で、同じメイプル素材ながらよりパワフルなサウンドが特徴となっています。

スネアやシンバルの選択においても、Pearl Masters Customのようなクリアな高音域を持つモデルを検討すると、バンドサウンドの中で存在感を失わない音作りができるでしょう。Ludwig Classic Mapleも温かみのあるトーンで矢野サウンドに近い特性を持ちながら、中古市場では比較的手頃な価格で見つかることがあります。

実践的なアプローチとしては、TAMA STAR Classicほどの高級ラインでなくても、Premier Signiaのような独特の鳴りを持つドラムキットを基本に、自分なりのチューニングで調整していくことが重要です。シンバル選びにも同様のアプローチを取り、ヴィンテージ感のある響きのものを選ぶことで、本格的な機材投資をせずとも矢野博康サウンドの雰囲気を楽しむことができるでしょう。

比較的安価に音を近づける機材表【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

ライブセットアップについて【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

矢野博康はCymbalsのドラマーとして特徴的なセットアップを好む。彼のステージ配置は常にバンドの中心に位置し、シンプルながらも力強いビートを刻むための機能性を重視している。特にライブでは左側にタムを集中配置し、右側にはライドシンバルを広めに設置する傾向がある。このセットアップにより、Cymbalsの代表曲「No.5」などでの俊敏なフットワークとダイナミックな演奏が可能となっている。

マイキングについては、キックドラムには必ずコンデンサーマイクを内部と外部の両方に設置し、よりパンチの効いた音を追求している。スネアには上下からマイクを設置し、シンバル類には全体を捉えるオーバーヘッドマイクに加え、ハイハットとライドには個別にマイクを配置するこだわりを見せる。この徹底したマイク配置により、繊細かつパワフルな音作りを実現している。

代表的なライブ映像の見どころとしては、2000年代の「百万石音楽祭」での演奏が特に印象的である。このライブでは「冬の魔法」の演奏中、矢野のドラミングが曲の展開に合わせてダイナミクスを自在に操るテクニックが際立っている。また、フジロックフェスティバルでの「星の降る夜に」では、タイトなグルーヴと共に、ストロークの使い分けによる繊細な表現力が観客を魅了した場面が特筆される。

総括まとめ【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

矢野博康は1980年代にデビューしたCymbalsのドラマーとして、日本のニューウェイブシーンで独自のドラミングスタイルを確立した。彼の音作りの核は、正確なリズムキープと緩急自在なグルーヴ感にあり、バンドのアンサンブル内での調和を重視した演奏が特徴的である。

彼のサウンド再現のポイントは、コンパクトなドラムセットからクリアで芯のあるサウンドを引き出す技術にある。特にスネアは鋭いアタックと適度な余韻のバランス、シンバルワークは繊細かつダイナミックな表現力が求められる。この絶妙な音色バランスがCymbalsの楽曲の土台となっている。

矢野のアプローチの真髄は、機材への依存度が低く、むしろ奏者としてのタッチやフィーリングを重視する姿勢にある。どんな環境でも一定のクオリティを保つ技術と、音楽性を優先させる姿勢こそが、長きにわたり評価される理由となっている。

本記事参照サイト【Cymbals（シンバルズ）・矢野博康】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Wikipedia – Cymbals
• Tower Records – Feature
• 音楽大辞典 – Cymbals