【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

関連記事

【Van Halen（ヴァン・ヘイレン）・Alex Van Halen】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.24

【シド・ゆうや】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.01

【JUDY AND MARY・五十嵐公太】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.02

【Mikkey Dee】Motörhead（モーターヘッド） 始めに

スウェーデン出身のドラマーMikkey Dee（ミッキー・ディー）は、ヘヴィメタルの伝説的バンドMotörheadの最後のドラマーとして約23年間活躍した。彼の特徴的なダブルバスドラムを駆使した高速で正確なプレイは、バンドのパワフルなサウンドの要となった。特に「Ace of Spades」や「Overkill」といった代表曲でのアグレッシブかつ精密な演奏は、メタルドラマーの模範として多くのミュージシャンに影響を与えている。

Motörheadの音楽性は、ハードロック、パンク、初期ヘヴィメタルを融合させた独自のスタイルで知られ、Mikkey Deeのドラミングはその荒々しさと正確さを両立させていた。フロントマンのレミー・キルミスターの強烈なベースラインと声とともに、彼の猛烈なドラミングはバンドのトレードマークとなった。彼の緻密さと爆発力を兼ね備えたテクニックは、「Born to Raise Hell」や「Killed by Death」などの楽曲で存分に発揮されている。

2015年のMotörhead解散後は、Scorpionsのメンバーとして活動を続けるMikkey Deeだが、彼のレガシーはMotörheadでの活動に強く結びついている。ダブルバスドラムのリズミカルな使い方や、スピードとパワーを犠牲にせず複雑なフレーズを演奏する技術は、現代のエクストリームメタルのドラミングにも大きな影響を与え続けている。

YouTubeでMikkey Deeのプレイをチェック → こちら

使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

Motörheadの強靭なドラミングで知られるMikkey Deeは、Sonor Signature Seriesを代表的な機材として愛用していました。このメイプル素材のドラムセットはMotörhead時代に彼の象徴となり、22インチのバスドラムと複数のタムを組み合わせた構成で、バンドの爆発的なサウンドを支えていました。また、Premier Genistaもツアーやレコーディングで重用され、メイプル材ならではの温かみのある音色と反応の良さが彼のダイナミックな演奏に貢献しました。

特筆すべきは、Tama Starclassic Bubingaの使用で、ブビンガ素材特有の力強い低音と明瞭な中高域がMotörheadの重厚なサウンドを形成する一因となっていました。また、Yamaha Oak Customはオーク材の特性を活かした耐久性と安定したチューニングでMotörhead在籍中の主力キットとして活躍。これらのドラムは激しいライブパフォーマンスにも耐える堅牢さを備えていました。

Sonor Designer Seriesはビーチ材を使用し、ハードロック向けの耐久性を提供。22×17のバスドラムと複数のタムによる豊かな音域構成が、Mikkey Deeの多彩な表現力を引き出しました。バンド加入初期にはPremier Artistを使用し、バーチ素材の22インチバスドラムを中心としたセットアップで、Motörheadのスピード感あるサウンドの基礎を築きました。彼の機材選択は常にパワフルかつ明瞭なサウンドを追求したものでした。

使用ドラムセット（シェル）機材表【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

使用スネアドラムの種類と特徴【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

Mikkey Deeがモーターヘッド時代にメインで使用していたのはPremierのメイプル製14×6.5インチスネアドラムです。コーテッドヘッドとカスタムチューニングにより、ヘヴィメタルに欠かせない力強いアタック感と豊かな中低域を実現していました。また、ライブではYAMAHA Rock Tourのバーチ製14×6インチモデルも頻繁に起用し、アンバサダーヘッドと24本のスナッピーワイヤーによる明瞭なレスポンスと抜けの良さを確保していました。

サブ機材としてはSonor Signatureのメタル製14×5インチスネアも重用し、Remoヘッドと42本のスナッピーワイヤーによる鋭いアタックと短いサスティンでブラストビートなどの高速演奏に対応。King Diamond在籍時には使用していたTama Starphonic（ブラス製14×7インチ）もMotörheadのレコーディングで起用することがあり、エバンスG2ヘッドと20本ワイヤーの組み合わせによる温かみのある芯太いサウンドを活かしていました。

ヴィンテージ志向の強いDeeは、Slingerland Artist Modelのメイプル製14×6インチモデルも愛用。コーテッドヘッドと30本のスナッピーワイヤーによるオープンでナチュラルなトーンが特徴です。また、Scorpions在籍時に使用していたPearl Sensitoneのスティール製14×5.5インチスネアも、パワードットヘッドとカスタムチューニングによる強烈なアタック感と長めのサスティンが持ち味で、特に大音量が必要な屋外フェスなどで重宝されていました。

使用スネアドラム機材表【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

使用シンバルの構成と種類と特徴【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

モーターヘッドのリズム隊を支えたミッキー・ディーは、Paisteシンバルを愛用していました。彼のセットアップの中核となるのは、14″のPaiste Heavyハイハットで、力強い音色と高い耐久性を備え、モーターヘッドの激しいサウンドの土台を形成していました。アクセントには複数のPaisteクラッシュシンバルを配置し、18″と17″のSignatureシリーズ、そして19″の2002シリーズを組み合わせることで、ミッドレンジの明るい音色からパワフルなロックサウンドまでをカバーしていました。

ミッキーのライドシンバルは21″のPaiste Signatureで、明瞭なピンポイントと豊かなサウンドが特徴でした。スピーディなパッセージでは10″のPaiste Signature Splashを効果的に使用し、アクセントとなる音色を加えていました。また、特徴的なエッジの効いた音を出す18″のPaiste 2002 Chinaも配置し、モーターヘッドのヘヴィなサウンドに欠かせない要素となっていました。

ミッキーのドラムセットには16″のPearl Masterworks Floor Tomも含まれており、低音の豊かな響きがバンドの重厚なリズムセクションを支えていました。彼のセットアップは全体としてPaisteシンバルが主体となっており、特にSignatureと2002シリーズの組み合わせによって、モーターヘッドの特徴的なヘヴィメタルサウンドに不可欠な鋭さとパワーを実現していました。

使用シンバル機材表【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

Mikkey Deeは長年の活動を支えるハードウェア選びにこだわりを持っていました。Motörhead時代にはGibraltar Stealth Rackを使用し、Pearlの代表作Eliminatorキックペダルで特徴的なスピーディな足さばきを実現。また、Sonor Giant Step Double Pedalの力強い踏み心地により、彼の激しいプレイスタイルを支えていました。

シンバルワークにおいてはDW 9000 Seriesのハイハットスタンドを採用し、優れたクラッチ機能により繊細なコントロールを実現。同じくDW 9000 Seriesのスネアスタンドの高い安定感とSonor Boom Standsの耐久性により、激しいライブパフォーマンスでも揺るがない演奏を可能にしていました。

長時間の演奏でもパフォーマンスを維持するためにSonor Signature Throneを使用し、Tama Star Classicタムホルダーの容易な位置調整機能を活用していました。また、Evans Torque Keyによる正確なテンション調整で、彼独特の力強いドラムサウンドを作り上げていました。これらのハードウェアの選択は、Mikkey Deeの卓越したテクニックを最大限に引き出すために不可欠でした。

使用ペダル・ハードウェア機材表【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

Mikkey Deeは長年の活動を支えるハードウェア選びにこだわりを持っていました。Motörhead時代にはGibraltar Stealth Rackを使用し、Pearlの代表作Eliminatorキックペダルで特徴的なスピーディな足さばきを実現。また、Sonor Giant Step Double Pedalの力強い踏み心地により、彼の激しいプレイスタイルを支えていました。

シンバルワークにおいてはDW 9000 Seriesのハイハットスタンドを採用し、優れたクラッチ機能により繊細なコントロールを実現。同じくDW 9000 Seriesのスネアスタンドの高い安定感とSonor Boom Standsの耐久性により、激しいライブパフォーマンスでも揺るがない演奏を可能にしていました。

長時間の演奏でもパフォーマンスを維持するためにSonor Signature Throneを使用し、Tama Star Classicタムホルダーの容易な位置調整機能を活用していました。また、Evans Torque Keyによる正確なテンション調整で、彼独特の力強いドラムサウンドを作り上げていました。これらのハードウェアの選択は、Mikkey Deeの卓越したテクニックを最大限に引き出すために不可欠でした。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

Mikkey Deeのドラムサウンドは、Motörheadのアグレッシブなサウンドを支える重要な要素だ。彼はスネアの打面を比較的高めにチューニングし、裏面はやや緩めに設定することで、パワフルでありながらもアタック感のある音を生み出している。スネアにはわずかなムーンジェルを使用し、過剰な残響を抑制しながらも生々しさを残すよう工夫。バスドラムは低域の豊かさを保ちつつ、250Hz付近を少し持ち上げることでキックのアタックを強調している。

レコーディングにおいては、スネアに3-5kHz帯をブーストして叩いた瞬間の「クラック」感を強調し、ハイハットは10kHz以上を軽く持ち上げてシャープさを引き出している。バスドラムには60-80Hz周辺の低域を豊かに残しつつ、400Hz付近を少しカットしてモコモコ感を軽減。全体的にはゲートの設定を緩めにし、自然な減衰を活かしながらも、ハードロックサウンドに必要なタイトさを両立させている。

ライブでは、レコーディングと比較してアタック重視の調整が施される。スネアは1-3kHzをより強調し、シンバルはライブ会場の反響を考慮して中高域(5-8kHz)をやや抑えめに設定。タムはレコーディング時よりもチューニングを若干高めにし、明瞭さを確保。コンプレッションも控えめに使用し、ダイナミクスを活かした生々しいパフォーマンスを可能にしている。結果として、Mikkey Deeのドラムは、Motörheadのスピード感あるヘヴィサウンドを力強く下支えする特徴的な音像を形成している。

比較的安価に音を近づける機材【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

Mikkey Deeの力強く明瞭なドラミングを再現するには、Tamaの中価格帯モデルが良い選択肢となります。Tama Starclassic Bubingaの特徴である力強い低音と明瞭な中高域は、比較的手頃なStarclassic Performerシリーズでも近づけることができるでしょう。バスドラムは22インチを選び、タムは10、12、16インチの組み合わせが基本となります。

スネアドラムに関しては、Sonorのブランドを視野に入れるとMikkeyの鋭い音に近づけられます。彼のSignature Seriesは高価ですが、同メーカーのDesigner Seriesはより手頃で、ビーチ材の特性を活かした耐久性の高い音が特徴です。シンバルはMotörheadの高速演奏に対応できるよう、中重量クラスの明るい音色のものが適しています。

ペダルについてはMikkeyの強靭なバスドラムを支えるため、安定性の高いものを選びましょう。彼がYamaha Oak Customや Premier Genistaを使用していた頃のパワフルなプレイスタイルには、直結式のツインペダルが向いています。バスドラムの音量と明瞭さを保つためには、やや大きめのビーターヘッドも効果的でしょう。

比較的安価に音を近づける機材表【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

ライブセットアップについて【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

Mikkey Deeのライブセットアップは、モーターヘッド時代、ステージ中央後方に大型ドラムセットを配置するスタイルが特徴的でした。彼の使用するドラムセットは通常、複数のタムタムとシンバルを装備した大型構成で、ステージ上で存在感を放っていました。ボーカルのレミー・キルミスターとフィル・キャンベルを前面に、彼が後方から力強くバンドを支えるフォーメーションが定番となっていました。

マイキングについては、各ドラムパーツに個別マイクを設置するだけでなく、オーバーヘッドマイクも効果的に配置され、彼の繊細かつパワフルな演奏を逃さず拾う工夫がされていました。特にバスドラムのマイキングは重視され、モーターヘッド特有の重厚なサウンドを支える重要な要素となっていました。ライブではヘッドセットマイクを使用することもあり、演奏中のコミュニケーションを可能にしていました。

代表的なライブ映像では、「Ace of Spades」や「Overkill」などの演奏中に見せる彼の超人的なスピードと正確さが見どころです。特に「Overkill」でのダブルバスドラムのフィナーレは圧巻で、単なるパワーだけでなく、技術的な精度の高さも際立っています。2015年のWacken Open Airでのパフォーマンスは、モーターヘッド解散前の貴重な映像として、彼の集中力と卓越したテクニックを堪能できる貴重な記録となっています。

総括まとめ【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

Mikkey Deeは、スピード感とパワーを兼ね備えたプレイでMotörheadのサウンドを支えた名手だ。彼の音作りの核は、ヘヴィロックの激しさとジャズドラマーのような技術的精度の融合にある。特に16分音符のバスドラムを正確に刻む強靭なフットワークと、グルーヴ感のあるタイトなビートが特徴的だ。

Mikkey Deeのサウンドを再現するポイントは、パンチの効いたスネアと明瞭なアタックを持つシンバルの組み合わせにある。彼のセットアップはシンプルながら、サイズ選びとチューニングにこだわり、バンドサウンドの中で存在感を発揮する調整がされている。特に高めにチューニングされたスネアと、抜けの良いライドシンバルの選択が重要だ。

注目すべきは、いかなる機材環境でも常に安定したパフォーマンスを発揮する姿勢にある。Mikkey自身が「どんなドラムセットでも自分の音は出せる」と語るように、機材依存ではなくプレイヤーとしての技術とフィーリングを重視する姿勢こそが、Motörheadの爆音の中でもドラムを明確に主張させる秘訣となっている。

本記事参照サイト【Motörhead（モーターヘッド）・Mikkey Dee】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Wikipedia – ミッキー・ディー
• HMV Media
• BARKS Media
• Wikipedia – レミー・キルミスター