【己龍・遠海准司】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

関連記事

【おいしくるメロンパン・原駿太郎】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.13

【THE BACK HORN・松田晋二】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.10.23

【Aimer・宮川剛（サポート）】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.06

【遠海准司】己龍 始めに

己龍(キリュウ)のドラマー遠海准司は、ビジュアル系バンドシーンにおいて特徴的なドラミングで知られています。彼の繊細かつパワフルなドラムプレイは、和楽器的要素とロックの融合という己龍の音楽性を強固に支えています。鋭いダブルキックと緻密なフレーズワークは、彼の技術力の高さを物語っています。

己龍の楽曲では、日本の伝統音楽を思わせる独特のリズムパターンと現代的なメタルサウンドが融合しており、遠海のドラミングはその橋渡し役として重要な役割を果たしています。特に疾走感のある楽曲では、ツーバスドラムの安定した刻みと緩急自在なフィルインが曲の世界観を一層引き立てています。

己龍の代表曲では、遠海のドラミングが単なるリズムキープを超え、バンドサウンドの重要な要素として機能しています。彼のテクニカルなプレイスタイルと表現力豊かなアプローチは、己龍の音楽性である「和」と「洋」の融合を体現し、バンドの独自性を確立する上で欠かせない存在となっています。

YouTubeで遠海准司のプレイをチェック → こちら

使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【己龍・遠海准司】

視覚系バンド「己龍」のドラマー、遠海准司は主に2種類のカスタムドラムキットを使い分けています。メインドラムキットとして使用しているのはTAMAのカスタムドラムキットで、22×16インチのバスドラム、10×8/12×9インチのタムタム、14×12/16×14インチのフロアタムというサイズ構成です。バーチ材を使用したブラックラップ仕様で、ライブパフォーマンスでの迫力ある音作りに貢献しています。

バックアップとして用意しているのはCanopusのカスタムドラムキットです。こちらもTAMAと同じサイズ構成（22×16/10×8/12×9/14×12/16×14）で、素材もバーチ材、仕上げもブラックラップとメインキットと統一感を持たせています。これにより急なトラブル時にも同様のサウンドを維持できる体制を整えています。

また、練習用やドラムスクール用としてPearlのDD522-Kを使用しています。こちらは22×16インチのバスドラム、10×8/12×9インチのタムタム、16×14インチのフロアタムに加え、14×5.5インチのスネアドラムが含まれる構成です。バーチ素材を採用したこのキットは、日常的な練習からレッスンまで幅広く活用されています。

使用ドラムセット（シェル）機材表【己龍・遠海准司】

使用スネアドラムの種類と特徴【己龍・遠海准司】

己龍のドラマー遠海准司は3種類のスネアドラムを使い分けています。メインとなるTAMA STARPHONIC BRASSは14×6インチのブラス製で、Evans HD Dryヘッドとの組み合わせにより、シャープなアタック感と豊かな響きを両立させています。このスネアは遠海准司シグネチャースティック201512と相性が良く、切れのある音色が特徴です。

サブとして使用するZENN DRUMS STEEL SNAREは14×6.5インチのスティール製で、STARPHONIC BRASSよりもやや深めのシェルによって低域の豊かさを実現。同じくEvans HD Dryヘッドを採用し、明瞭度の高いサウンドながらも芯のある音色を生み出しています。硬質な金属製ならではの反応の良さが特徴的です。

もう一つのサブスネアとしてTAMA STARCLASSIC MAPLEも使用。14×6インチのメイプル製で、2つのメタルスネアとは対照的に温かみのある音色が特徴です。Evans HD Dryヘッドによってアタック感を確保しつつも、木製ならではの丸みを帯びた音色で、楽曲の雰囲気に合わせて使い分けています。いずれも遠海准司シグネチャースティックとの組み合わせで、己龍サウンドの基盤を形成しています。

使用スネアドラム機材表【己龍・遠海准司】

使用シンバルの構成と種類と特徴【己龍・遠海准司】

己龍のドラマー・遠海准司は、多彩な音色を持つシンバルセットを駆使しています。特に存在感のある19″のIstanbul SULTANクラッシュと、パワフルな音質を持つSABIAN AA ROCK 22″ライドが中心となり、バンドのダイナミックな楽曲に深みを与えています。ハイハットには14″のMeinl VINTAGE PATINAを使用し、タイトなサウンドを実現しています。

アクセント用として、Zildjian K Custom Dark 10″スプラッシュを配置し、楽曲の要所で鋭い音色を放ちます。また、効果音としてWUHAN 18″チャイナシンバルを効果的に使用し、楽曲の展開に緊張感をもたらします。Paiste SIGNATURE SERIES 16″クラッシュは鮮明な打感で、フレーズの切れ目を明確にしています。

ZILDJIAN A CUSTOM 18″クラッシュの煌びやかな音質は、楽曲の華やかなパートで活躍します。遠海准司のシンバルセッティングは、己龍の重厚かつメロディアスな音楽性を支える重要な要素となっており、各シンバルの特性を活かした効果的な使い分けがなされています。彼のドラミングスタイルに合わせた音色選びは、バンドサウンド全体の奥行きを広げています。

使用シンバル機材表【己龍・遠海准司】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【己龍・遠海准司】

己龍のドラマー遠海准司氏は、Pearlの「ELIMINATOR REDLINE」ダブルペダルを愛用しています。ショートボード仕様を採用することで素早いフットワークを可能にし、激しい楽曲でも安定したキック音を実現しています。ペダルの反応速度と踏み心地のバランスが遠海氏のプレイスタイルに最適化されています。

ハードウェア面では、TAMAの「KC850」丸形ドラムスローンと「ITP10」タムホルダー（SIT10Mホルダー）を基本に構成。ライブではDWの「TITAN JR.」クイックセットシートも状況に応じて使い分け、安定したプレイングを実現しています。これらのハードウェアは遠海氏のダイナミックな演奏スタイルを支える重要な要素となっています。

スティックは2種類のシグネイチャーモデルを使用。ROHEMAの「Signature Stick 201512」とT.O.Dの「TS-001」です。練習時にはTAMAの「Rhythm Watch RW105」メトロノームを活用し、正確なリズムキープを徹底。ハードウェア選びにおいても細部にこだわる姿勢が、己龍のサウンド作りの基盤となっています。

使用ペダル・ハードウェア機材表【己龍・遠海准司】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【己龍・遠海准司】

己龍のドラマー遠海准司は、Pearlの「ELIMINATOR REDLINE」ダブルペダルを愛用しています。ショートボードタイプを選んでおり、踏み心地の良さとスピードの両立を重視しています。このペダルはライブでの激しいプレイスタイルにも対応する耐久性を備えています。 ハードウェアでは、TAMAの「KC850」丸形ドラムスローンと「ITP10」タムホルダー（SIT10Mホルダー）を使用。また練習時には同じくTamaの「Rhythm Watch RW105」メトロノームも活用しています。ライブではDWの「TITAN JR.」クイックセットシート仕様のスローンも使うことがあります。 スティックはROHEMAの「Signature Stick 201512」と、T.O.Dの「TS-001」という2種類の遠海准司シグネイチャーモデルを使い分けています。それぞれ特性が異なり、曲調やライブの雰囲気に合わせて選択しているようです。こだわりのハードウェア構成が、己龍独特のサウンドを支えています。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【己龍・遠海准司】

遠海准司は己龍のサウンドを支える重厚なドラミングが特徴的です。スネアは打面をタイトめに、裏面を若干緩めにチューニングすることで、V系に求められる芯のあるアタック音と適度な余韻を両立させています。特にバラードではムーンジェルを1箇所のみ使用して余韻を残し、激しい楽曲では2〜3箇所に配置し、さらにテープで部分的にミュートを加えることでクリアなアタックを確保しています。

ミックス処理においては、キックに80-100Hz帯を強調し250Hz付近をカットしてモコモコ感を排除。スネアは3-5kHz帯を持ち上げてアタックを際立たせつつ、200-400Hz帯を適度に残してボディ感を維持。タムは400Hz付近に存在感を持たせ、シンバルは10kHz以上の帯域をなだらかに持ち上げて艶やかさを演出。全体にパラレルコンプを施して力強さを保ちながら、各楽器にはゲートを効かせてセパレーションを確保しています。

ライブとレコーディングでは明確な使い分けをしており、ライブではROHEMAシグネチャースティック（201512）を使用して太いアタックと存在感を重視。一方レコーディングではヒッコリースティックを使い、繊細なニュアンスを表現しつつ残響をコントロール。フロアタムはライブでは若干高めにチューニングして音抜けを良くし、レコーディングでは低めに調整して重厚感を出す工夫がなされています。この緻密なサウンドメイクが己龍の楽曲の世界観を強烈に表現することに貢献しています。

比較的安価に音を近づける機材【己龍・遠海准司】

己龍の遠海准司のドラムサウンドを予算内で再現するなら、Pearl DD522-Kがコストパフォーマンスに優れた選択肢となるでしょう。遠海氏のメインキットであるTAMAやCanopusのカスタムキットと比べると価格帯は抑えられていますが、同じくバーチ材を使用しており、基本的な音色の方向性を掴むことができます。特にキックの22インチサイズやタムの配置が近いため、セッティング感覚も近づけやすいのが特徴です。

スネアやハードウェアについても、Pearl製品でベーシックなものから始めると良いでしょう。遠海氏が使用するTAMAのカスタムキットは黒のラップ仕上げという特徴がありますが、Pearl DD522-Kでもシンプルな外観から入門することで、演奏技術向上に集中できます。シンバルは予算に応じて段階的にグレードアップしていくことで、徐々に己龍サウンドに近づけることが可能です。

上達に伴って機材をアップグレードする際は、まずはCanopus予備用セットのような中間帯の機材を検討するとよいでしょう。遠海氏が両方のカスタムキットで10/12/14/16インチのタム構成を採用していることから、この配置が彼のサウンドの基本となっていることがわかります。最初からハイエンドを目指すよりも、Pearl DD522-Kから始めて演奏スキルと共に機材をグレードアップしていく方法が現実的なアプローチといえるでしょう。

比較的安価に音を近づける機材表【己龍・遠海准司】

ライブセットアップについて【己龍・遠海准司】

遠海准司のドラムセットアップは、視認性と演奏性を両立させた配置が特徴的です。ライブステージでは、シンバル類を比較的低めに配置し、タムやフロアタムを自身の体格に合わせて調整することで、激しい演奏でもスムーズなスティックワークを実現しています。ハイハットとスネアの距離感にもこだわりがあり、自身のシグネチャースティック「ROHEMA 201512」を活かした繊細かつダイナミックな演奏を可能にしています。

マイキングについては、スネアドラムには上下からマイクを配置し、キックドラムには内部と外部の両方からマイクを設置する傾向があります。オーバーヘッドマイクは、シンバルの輝かしさと全体のバランスを捉えるよう配置され、タムにはそれぞれ個別のマイクが設置されています。この緻密なマイク配置により、己龍の重厚かつ繊細なサウンドが表現されています。

己龍の代表的なライブ映像では、遠海の正確なタイミング感覚と表現力豊かなダイナミクスが際立ちます。特に「鬼」や「華」などの楽曲では、速いダブルバスとメリハリのある強弱表現が見どころです。また、シグネチャースティック「TS-001」を使用した繊細なリムショットやゴーストノートの表現も注目ポイントで、バンドの世界観を支える重要な役割を果たしています。

総括まとめ【己龍・遠海准司】

遠海准司は己龍のドラマーとして、ビジュアル系バンドながらもジャンルにとらわれない多彩なドラミングを展開している。彼の音作りの核は、「重厚感と鋭さの両立」にあり、バンドの和風テイストと激しさを支える強靭なビートワークが特徴だ。

再現ポイントとしては、深めのチューニングのスネアドラムと、明るく輪郭のはっきりしたシンバルの組み合わせがある。セットアップはシンプルながらも、タム配置やシンバルの選択で和洋折衷の音色を実現し、己龍の世界観を打楽器で表現している。

注目すべきは、遠海の「機材に依存しすぎない姿勢」だ。シグネチャーモデルを持ちながらも、どんな環境でも自分らしい音を出せるよう、基本的なテクニックを重視している。彼のプレイスタイルは、ドラム本来の表現力を引き出すことに重きを置いており、ビジュアル系の枠を超えた音楽性が高く評価されている。

本記事参照サイト【己龍・遠海准司】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Stage Gear
• Kikutani Music (Manufacturer)
• Shimamura Music
• Drums Magazine (Media)