【Cocco・椎野恭一】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

関連記事

【カネヨリマサル・もりもとさな】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.11

【木村カエラ・柏倉隆史（サポート）】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.13

【Anthrax（アンスラックス）・Charlie Benante】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

2025.11.18

【椎野恭一】Cocco 始めに

椎野恭一は、沖縄出身のシンガーソングライターCoccoのバンドで活躍するドラマーです。繊細かつダイナミックなプレイスタイルで知られ、Coccoの楽曲に独特の奥行きと強度をもたらしています。緻密なコントロール感とパワフルなビートワークを併せ持ち、特に楽曲の感情表現において重要な役割を担っています。

「強く儚い」という言葉で表現されることも多いCoccoの世界観を、リズムの側面から支える椎野のプレイは、静と動のコントラストが特徴的です。代表曲「強く儚い者たち」や「カウントダウン」などでは、繊細なバラードからエモーショナルなロックサウンドまで、幅広いダイナミクスを操るテクニックが光ります。

椎野はCocco以外にも、aikoとのユニット「AJICO」など様々なプロジェクトでの活動実績があり、その多彩なプレイスタイルで高い評価を得ています。Coccoの音楽性を引き立てる重要な一員として、独自のドラミングで作品に深みを与え続けています。

YouTubeで椎野恭一のプレイをチェック → こちら

使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【Cocco・椎野恭一】

椎野恭一はCoccoのバンドメンバーとして活動する傍ら、AJICOなど様々なプロジェクトでも活躍するドラマーです。主にTAMA社のドラムセットを愛用しており、特にStar ClassicやStar Customといったハイエンドモデルを中心に使用。メイプル材のウォームでバランスの良い音色が彼のダイナミックな演奏スタイルと相性良く、Coccoのライブツアーでは22インチバスドラムのStar Classicを頻繁に使用しています。 特筆すべきはCoccoとコラボレーションした専用のStar Customドラムセットで、22×16のバスドラムに10と12インチのタムを組み合わせた構成により、繊細かつパワフルなサウンドを実現しています。一方、AJICOでの活動ではSilver Starを使用し、24インチの大口径バスドラムで低音の効いた太いサウンドを生み出しています。 スタジオレコーディングでは音の分離と明瞭さを重視し、Starclassic Mapleを使用。また、ジャズセッションではPearlのMasterWorks 20インチキットで、よりコンパクトな音作りを志向しています。椎野は状況に応じてドラムサイズを使い分け、常に最適な音色を追求するドラマーとして知られています。

使用ドラムセット（シェル）機材表【Cocco・椎野恭一】

使用スネアドラムの種類と特徴【Cocco・椎野恭一】

椎野恭一はメインスネアとしてLudwigの「Supraphonic LM402」（アルミ製・14×6.5インチ）を愛用し、コーテッドヘッドと20本スナッピーで明瞭なアタックと豊かな響きを引き出しています。Coccoのレコーディングでは同じLudwigの「Black Beauty」（ブラスシェル・14×5インチ）を使い分け、より芯のある音色を実現。また、Yamahaの「Maple Custom」（14×5.5インチ）や「Beech Custom」（14×5インチ）もライブで活用し、メイプルの艶やかさとビーチの温かみを場面に応じて選択しています。

Tamaのスネアも重要な位置を占めており、「Starclassic Maple」（14×6インチ）はライブやレコーディングの両面で活躍。特に「Starphonic Brass」（ブラス製・14×6インチ）はパワードットヘッドと42本スナッピーの組み合わせで、パワフルでありながら輪郭のはっきりした音を必要とする楽曲で重宝しています。メタルシェルとウッドシェルを使い分けることで、Coccoの楽曲が持つ繊細さと力強さの両面をドラミングで表現しています。

椎野のスネアセレクションは、曲調や表現したいニュアンスによって綿密に使い分けられています。特にメタルシェル（Supraphonic、Black Beauty、Starphonic）は明瞭な音像とサスティンの長さで楽曲の骨格を支え、ウッドシェル（Maple Custom、Beech Custom、Starclassic）は温かみと豊かな倍音で情感を表現。これらのバランス感覚がCoccoの世界観を下支えする重要な要素となっているのです。

使用スネアドラム機材表【Cocco・椎野恭一】

使用シンバルの構成と種類と特徴【Cocco・椎野恭一】

Coccoのドラマー椎野恭一は、Zildjian社のシンバルを中心に構成しています。ハイハットには14″のK Constantinopleを使用し、上の皿が薄めのため繊細なアクセントが効くのが特徴です。クラッシュシンバルは音色の違う3種類を配置しており、17″のA Customで透明感のある高音域、18″のK Customで倍音豊かなダークな音色、そして20″のKシリーズでドライブ感のある太い音を使い分けています。

ライドシンバルには22″のK Constantinople を使い、複雑な倍音構造を持つクラシックな音色が椎野のドラミングに深みを与えています。このシンバルはCoccoの楽曲の情感豊かな表現に欠かせない存在となっています。また、エフェクト系シンバルとして20″のK Chinaを配置し、楽曲の緩急やアクセントを効果的に表現しています。

さらに、アクセント用として小口径の10″A Custom Splashを採用し、細かいフレーズを彩ります。独特のノイズ系サウンドを求める場面では16″のEFX Stackを活用し、Coccoの楽曲に特徴的なテクスチャーを加えています。これらZildjian社のシンバル構成は、椎野の繊細かつダイナミックな演奏スタイルに最適化された選択と言えるでしょう。

使用シンバル機材表【Cocco・椎野恭一】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【Cocco・椎野恭一】

Coccoのドラマー椎野恭一は、TAMAのハードウェアを愛用している。特にSpeed Cobra 310ダブルペダルは軽量設計ながら高速プレイにも対応するため、繊細かつダイナミックな彼の演奏スタイルに最適だ。ライブでの激しい演奏にもしっかりと追従する踏み心地の良さが特徴で、長時間のステージでも疲労を軽減している。

ハイハットスタンドにはIron Cobra 900 Seriesを使用し、安定感のある操作性で細かいニュアンスの表現を可能にしている。シンバル周りはRoadpro Boom Cymbal Standを採用し、ツアーの移動にも耐える堅牢性を確保。スネアスタンドにはシンプルで信頼性の高いStage Master Snare Standを選び、セッティングの安定性を重視している。

また、1st Chair Round Riderドラムスローンは長時間の演奏でも疲れにくい設計で、椎野のパフォーマンスを支えている。タムはMTH900タムホルダーでマウントし、Star-Castマウンティングシステムにより共鳴を最大限に引き出している。クイックセットアップが可能なQuick-Set Cymbal MateやTitan Drum Keyなど、実用性の高いアクセサリーも揃え、効率的なセッティングを実現している。

使用ペダル・ハードウェア機材表【Cocco・椎野恭一】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【Cocco・椎野恭一】

Coccoのドラマーとして活動する椎野恭一氏は、TAMAのハードウェアをメインに使用している。キックには高速プレイに対応できる軽量設計のSpeed Cobra 310ダブルペダルを採用。このペダルは椎野氏のダイナミックかつ繊細な表現を可能にし、Coccoの楽曲に必要なスピード感と繊細さを両立させている。

ハイハットスタンドにはIron Cobra 900 Seriesを使用し、安定感のある操作性でライブでの激しい演奏にも対応。シンバルスタンドはRoadpro Boom Cymbal Standを採用し、ツアーの移動の多い環境でも堅牢性を発揮している。スネアスタンドにはStage Master Snare Standを使用し、シンプルで信頼性の高い設計が椎野氏のプレイスタイルを支えている。

タムのセッティングにはStar-Castマウンティングシステムを採用したMTH900タムホルダーを使用。長時間の演奏でも疲れにくい1st Chair Round Riderドラムスローンや、Quick-Set Cymbal Mateなどの使い勝手の良いハードウェアで効率的なセッティングを実現。滑りにくいグリップのTitan Drum Keyでのチューニングなど、細部まで拘った構成で、Coccoのライブパフォーマンスを音響面から支えている。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【Cocco・椎野恭一】

椎野恭一のドラムサウンドは、Coccoの楽曲に合わせた繊細かつダイナミックなアプローチが特徴です。スネアは打面をややタイトに調整し、裏面は若干緩めに張ることで、芯のある音と十分な残響のバランスを実現しています。バラードでは打面にムーンジェルを1〜2枚配置してサスティーンを抑え、アップテンポな楽曲では裏面にテープを部分的に貼り付けることで不要な倍音をコントロール。特にライブでの「強く優しく」などの楽曲では、スネアのアタック感を強調した調整を行います。

ミックス処理においては、キックドラムは80Hz付近をブーストして芯の太さを出しつつ、2-3kHz帯域も適度に持ち上げることでアタック感を確保。スネアは200Hz周辺の鳴りと5kHz前後のスナッピーサウンドを強調し、400-600Hz帯域をカットして箱鳴りを抑制します。シンバルは8-10kHz帯をなだらかにブーストし、ゲートは主にタムに使用。ステレオイメージでは、ハイハットを左10時、ライドを右2時に配置するのが基本です。

レコーディングとライブでは異なるアプローチを採用しており、レコーディングではルームマイクの活用によって自然な空間表現を重視。一方、ライブではアタック感を強調し、リバーブは控えめに設定してクリアな音像を保ちます。特にCoccoのボーカルを邪魔しないよう、3-5kHz帯域での干渉を避けるEQカーブを採用。ドラムの鳴りとグルーヴ感を保ちながらも、全体のサウンドバランスに細心の注意を払うのが椎野恭一のサウンドメイクの特徴です。

比較的安価に音を近づける機材【Cocco・椎野恭一】

椎野恭一さんのCoccoでの特徴的なドラムサウンドは、TAMA Starシリーズのメイプルドラムが基本となっています。予算を抑えるならTAMA Starclassic Mapleの中古品がおすすめで、特に22インチバスドラムと10、12インチのタムを組み合わせれば近い音色が得られるでしょう。最低限の構成として16インチのフロアタムを加えれば、椎野さんのベーシックセットアップに近づけることができます。

スネアドラムについては、TAMAのメイプルシェルが特徴的な椎野サウンドの要です。もし予算に余裕があれば、Pearl MasterWorksの小口径スネアも検討する価値があります。AJICOでの演奏時に使用するTAMA Silver Starも独特の鳴りを持ちますが、まずはStarclassic Mapleシリーズのスネアから始めるのが現実的な選択といえるでしょう。

ペダルとハードウェアはTAMA製品で統一することで、椎野さんのセッティングに近づけられます。特にCoccoとのコラボレーションで使用されるStar Customの設定感を参考にしてみてください。シンバルは予算内で質の良いものを選び、椎野さんが使用する複数のドラムセットの中から、自分の演奏スタイルに合った太さやサイズ感を探ってみるのも良いでしょう。

比較的安価に音を近づける機材表【Cocco・椎野恭一】

ライブセットアップについて【Cocco・椎野恭一】

椎野恭一のCoccoでのドラムセットアップは、スタンダードな5点セット（バスドラム、スネア、タム2つ、フロアタム）をベースに、ライドシンバルとハイハットの位置を低めにセッティングする特徴があります。ステージでは通常右側後方に配置され、Coccoのボーカルを際立たせるためシンバルワークを抑えめにした繊細なプレイスタイルが目立ちます。マイキングは、バスドラムにダイナミックマイク、スネアには上下からコンデンサーとダイナミックのダブルマイク、オーバーヘッドには高品位なコンデンサーマイクを使用する傾向にあります。

ライブでのマイク配置は、特にスネアドラムへの丁寧なマイキングが特徴で、上面からはSM57などのダイナミックマイク、下面からはコンデンサーマイクを使用し、繊細なスネアワークをしっかりと捉える工夫がされています。タムにはクリップオンマイクを多用し、ルームマイクも複数配置することで、椎野のダイナミクスの幅広さを表現可能にしています。ライブハウスからホールまで、会場の音響特性に合わせて柔軟にセッティングを調整する姿勢も彼の特徴です。

代表的なライブ映像の見どころは、「強く儚い者たち」や「樹海の糸」などのバラード曲での繊細なブラシワークと、「強がりサンタクロース」などアップテンポな楽曲での力強いバスドラムのキックワークの対比です。また「アカトンボ」でのタム回しの緻密さや、「ジュゴンの見える丘」での独特のハイハットワークなど、楽曲の世界観を深める演奏アプローチが注目ポイントとなっています。Coccoのエモーショナルな歌声と絶妙に絡み合うドラミングは、椎野のセンスと技術の高さを如実に表しています。

総括まとめ【Cocco・椎野恭一】

椎野恭一のドラミングは、Coccoの楽曲に欠かせない存在感を放っている。繊細さと爆発力を兼ね備えた演奏スタイルは、Coccoの叙情的な世界観を音で支える重要な要素となっている。また、AJICOやイツエーなど多彩なプロジェクトでの活動も彼の表現の幅広さを示している。

椎野のサウンド再現の核はダイナミクスの幅広さにある。強烈なバックビートと繊細なブラッシュワークの対比が特徴的で、楽曲の起伏を効果的に表現する。特にシンバルワークは音色の選択と叩き分けが絶妙で、Coccoの独特な世界観構築に大きく貢献している。

彼の演奏は機材依存ではなく、楽曲の世界観を理解し表現する姿勢が根底にある。様々なセッションやツアーでの経験を通じて培われた柔軟な対応力と表現力こそが、椎野恭一のドラマーとしての真髄であり、Coccoの音楽性を支える重要な要素となっている。

本記事参照サイト【Cocco・椎野恭一】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• 椎野恭一 Official Site
• VOCAL MAGAZINE
• DRUMS MAGAZINE
• Wikipedia