【JUDY AND MARY・五十嵐公太】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

【五十嵐公太】JUDY AND MARY 始めに

五十嵐公太はJUDY AND MARYのドラマーとして、バンドの個性的なサウンド形成に大きく貢献しました。独特なグルーヴ感とパワフルなプレイスタイルが特徴で、特にYUKIのボーカルと川澄智正のギターに絡む形でバンドの疾走感を支えていました。

彼のドラミングはシンプルながらも的確なフィルインと安定したリズムキープが光り、「そばかす」や「RADIO」などの代表曲ではテンポの良いビートで曲を盛り上げています。ポップな楽曲の中にもロック色の強いアプローチで、JAMのオルタナティブポップサウンドの基盤を作り出しました。

高い技術力と音楽センスを持ち合わせた五十嵐のプレイは、90年代のJポップシーンで一世を風靡したJUDY AND MARYの独自性を支える重要な要素となっています。彼の洗練されたドラミングはバンドのキャッチーなメロディとエッジの効いたサウンドを見事に融合させました。

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使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

JUDY AND MARYの五十嵐公太は主にTamaのStarclassicシリーズを愛用していました。レコーディングやライブでは「Star Classic」メイプルモデル（22×18/12×9/16×16）を基本セットとして使用。このモデルはJUDY AND MARYの楽曲において重要な役割を果たし、バンドサウンドの土台となりました。 また「Starclassic Birch」（22×18/12×9/16×16）バーチ材のモデルも使い、明るい中高音域と重厚な低音を活かしたプレイで知られています。曲調やライブ会場に応じて「Tama Starclassic」シナリーブラスモデル（22×18/12×9/14×14/16×16）も使用し、バーチ材の特性を生かした音作りをしていました。 より繊細な音色が必要な場面では「Starclassic Maple」（22×18/10×8/12×9/14×14/16×16）を選び、メイプル材特有の鮮明なアタック感とクリアなトーンを活かしました。近年では「Starclassic Walnut/Birch」（22×18/12×9/16×16）や「Masterworks」バーチ/メイプルのカスタムシェル構成も使用し、豊かな低音と明るい響きを両立させています。セットアップは常に22インチのバスドラムを基本に、タムやフロアタムを曲に合わせて配置していました。

使用ドラムセット（シェル）機材表【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

使用スネアドラムの種類と特徴【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

JUDY AND MARYのドラマー五十嵐公太は、複数のスネアドラムを目的に応じて使い分けています。バンドのメインサウンドを支えたのはPearl製のスネアで、2000年代にはPearl Masters Premium Mapleを使用。メイプル素材の14×6.5インチサイズで、Evans G2ヘッドと20本のスナッピーの組み合わせにより、温かみのあるアタックと適度なサスティンを実現していました。2010年代にはPearl Referenceに移行し、Evans HD Dryヘッドとカスタムスナッピーで、より明瞭度の高いドライな音作りに変化。 特別なライブではLudwig Black Beautyを使用し、ブラス素材の輝かしさとRemo Emperorの厚みが合わさった存在感のある音色を獲得。サイドプロジェクトではPearl Free Floating Brassを選び、薄めの14×5インチサイズとRemo Ambassadorの組み合わせで俊敏なレスポンスを追求。レコーディング時にはTAMA STAR Reserveのバーチ材を使い、Evans G1ヘッドで録音に適した鮮明なアタック音を引き出しています。

使用スネアドラム機材表【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

使用シンバルの構成と種類と特徴【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

JUDY AND MARYのドラマーとして活躍した五十嵐公太のシンバルセットは、主にZildjianとSabianの2大ブランドで構成されていました。JAM時代には、温かみのある14″のK Light Hi-hatと18″のK Dark Medium Thin Crashを愛用。その後のセットアップでは、豊かな倍音を持つ14″のK Hi-hatをメインに、明るい音色の16″のA Custom Crashと、よりダークでウォームな音色を持つ18″のK Custom Crashを組み合わせています。またライドには温かみのある20″のK Rideを使用。エフェクト系としてSabianの18″AAX Chinaと、アクセント用に10″のAAX Splashも取り入れています。このような多彩なシンバル構成により、JAM時代の躍動感あるサウンドから、繊細な表現まで幅広い音色を実現していました。

使用シンバル機材表【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

JUDY AND MARYの五十嵐公太は、TAMAのIRON COBRA P-900Cをメインのキックペダルとして愛用しています。パワーグライド・カムを採用したこのペダルは、力強い踏み心地と反応の良さが特徴です。また速いフットワークが求められる楽曲では、TAMAのSPEED COBRAダブルペダルに切り替え、スピーディかつ正確なプレイを実現しています。 ハードウェア面では、PEARLのHi-Hat Standを使用し、安定したハイハットワークをサポート。同じくPEARLのSnare Standは豊富な調整機能により、自身のプレイスタイルに最適化されています。シンバルセッティングには、PEARLのCymbal Boom StandとSABIANのCymbal Standを組み合わせ、アームの角度調整と耐久性を両立。 またPEARLのTom Holderによりタムの自由度の高いセッティングを実現し、TAMAのDrum Throneで長時間の演奏でも疲労を軽減しています。ラックシステムは使用せず、各スタンドの機動性を活かした配置を好んでいます。

使用ペダル・ハードウェア機材表【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

五十嵐公太は安定感のあるハードウェア選択で知られています。キックペダルはTAMAのIRON COBRA P-900Cを使用し、パワーグライド・カムによる踏み心地の良さと力強いサウンドを実現。速いフットワークが必要な曲ではTAMAのSPEED COBRAダブルペダルに切り替え、スピーディなプレイをサポートしています。 ハイハットスタンドはPEARLのモデルを採用し、安定したオープン・クローズ操作を実現。スネアスタンドも同じくPEARLの調整機能が充実したモデルを使用しています。シンバル周りはPEARLのCymbal Boom Standでアームの角度調整を活かした独自のセッティングを構築し、SABIANの耐久性に優れたスタンドも併用。PEARLのTom Holderで自由度の高いタム配置を行い、長時間のライブでもTAMAのドラムスローンで疲労を軽減しています。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

五十嵐公太はJUDY AND MARYのパンキッシュでタイトな楽曲に合わせたチューニングが特徴的でした。スネアは打面をやや強めに張り、裏面はやや緩めにすることでアタックと抜けの良さを両立。タムは均等なピッチ感を持たせつつ、フロアタムは低めに調整し、パンクロックからポップまでをカバー。ライブではムーンジェルを2〜3個使用してリングを抑制し、レコーディング時にはスネア裏面の端にガムテープを貼って不要な倍音をカットしていました。

ミックス面では、バスドラムに80-100Hzの低域を強調しつつ200-300Hz帯をカットしてモコモコ感を排除。スネアは3-5kHzのアタック部分を持ち上げ、1kHz付近に存在感を出すEQ処理が施されています。コンプレッションは比較的控えめ（3:1程度）に設定し、ゲートはタイトに。空間的には、バスドラムとスネアをセンターに定位させ、タムやシンバルは左右に広がりを持たせる立体的な配置が採用されていました。

特筆すべきは、レコーディングとライブでの使い分け。スタジオ録音では、サビやブリッジでのフィルインで豊かな残響を活かしながらも、ヴォーカル中心のミックスを意識して600Hz-1kHz帯を抑えめに。一方ライブでは、よりアタックを強調するため2-4kHz帯を持ち上げ、会場の反響を考慮してタムの余韻を抑える傾向がありました。バンド解散後も彼のドラムチューニングとサウンドメイクの手法は多くのドラマーに影響を与えています。

比較的安価に音を近づける機材【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

JUDY AND MAY時代の五十嵐公太の明るく抜けの良いサウンドは、Pearl社のドラムとSabian社のAAシリーズシンバルが基本となっています。比較的手頃な価格帯でこの音に近づけるなら、Pearl Export EXXシリーズ（5〜8万円台）がコストパフォーマンスに優れた選択肢となるでしょう。スネアはPearlのスチールスネア（3万円前後）で、クリアヘッドを張ることで明るく鋭いアタック感が出せます。

シンバルはSabian B8シリーズ（2〜3万円台）が本格的なAAシリーズの入門版として最適です。特に16インチのクラッシュシンバルと20インチのライドシンバルがあれば、J-POPロックの基本的な音作りが可能になります。ハイハットはやや厚めの14インチを選ぶと、タイトな閉じ方でカッティングの効いた音が出せるようになります。

ペダルは五十嵐氏と同じTama Iron Cobra（約1.5万円）よりも、Pearl P-930（約1万円）の方がコスト面では有利です。ヘッドは打面にRemo Ambassador Clear、タムボトムにRemo Ambassador Clearを使うことで明るく伸びのある音色を実現できます。マイキングしない環境でもよく通る音になり、ポップでありながらもロックな芯のあるサウンドに近づけることができるでしょう。

比較的安価に音を近づける機材表【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

ライブセットアップについて【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

五十嵐公太はJUDY AND MARYのドラマーとして知られ、ステージではバンドの中心に位置することが多かった。彼のドラムセットはシンバルを高めに配置する特徴があり、パールドラムとセイビアンシンバルを愛用していた。特にライブではオーバーヘッドマイクを効果的に使い、シンバルワークの細かいニュアンスまで捉える配置が意識されていた。

マイキングについては、キックドラムには専用マイクを内部に設置し、スネアには上下から2本のマイクでアタック感と響きを両立させる工夫が見られた。タムには各1本ずつのマイクが取り付けられ、彼の繊細かつダイナミックな演奏を捉えるセッティングとなっていた。この緻密なマイク配置により、彼の特徴的なフットワークとハンドテクニックが際立っていた。

代表的なライブ映像では、「そばかす」や「RADIO」などの人気曲での彼の集中した表情と正確なタイミングが見どころだ。特に、激しい楽曲での安定したグルーヴキープと、YUKI（ボーカル）とのアイコンタクトによる絶妙なテンポコントロールは必見。また、ソロパートでは両手両足を駆使した技巧的なフレーズと、感情表現豊かなダイナミクスの使い分けが彼の真骨頂となっている。

総括まとめ【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

五十嵐公太のドラミングは、JUDY AND MARYの楽曲に欠かせない要素として確立されている。彼の特徴は、パンクロックをベースにしながらも繊細なニュアンスを織り交ぜ、YUKIのボーカルと川澄文雄のギターを支える安定したグルーブにある。独特の16ビートハイハットワークと、曲の展開に合わせたダイナミクスのコントロールが彼の音作りの核となっている。

彼のサウンドを再現するポイントは、タイトで歯切れの良いチューニングにある。特にスネアは高めのピッチで調整し、芯のある鋭い音色を追求すること。シンバルはブライトで抜けの良い音が特徴的で、ハイハットワークでは開き加減と踏み方のテクニックが重要だ。セット全体としては、コンパクトかつ機能的なセッティングで無駄のない動きを実現している。

五十嵐は機材に依存しすぎない実力派ドラマーとしても知られている。彼の演奏スタイルは技術と感性のバランスを大切にし、どんなドラムセットでも本質的なグルーブと表現力を失わない。むしろ機材の限界を超えた表現を追求する姿勢が、長年にわたり多くのドラマーに影響を与え続けている。シンプルながらも独自性を持った彼のプレイスタイルは、楽器の特性を理解した上での音楽性の高さを示している。

本記事参照サイト【JUDY AND MARY・五十嵐公太】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• BARKS (Music Media)
• Pearl Music (Manufacturer)
• Bunches (Music Media)