【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】風ドラムサウンドの作り方＋使用機材セッティングまとめ｜セット・スネア・シンバル・ペダル

【梶原徹也】THE BLUE HEARTS 始めに

梶原徹也は、1980年代から1990年代にかけて活躍した伝説的パンクバンドTHE BLUE HEARTSのドラマーとして知られています。その力強く正確なビートは、バンドの爆発的なサウンドの基盤となりました。

彼のドラミングの特徴は、シンプルかつパワフルなスタイルにあります。特に「リンダリンダ」や「TRAIN-TRAIN」などの代表曲では、曲の疾走感を支える安定したテンポキープと、楽曲の盛り上がりに合わせた効果的なフィルインが光ります。

梶原のプレイは技巧的な派手さよりも楽曲への貢献を重視したアプローチが特徴で、それがTHE BLUE HEARTSの直球でエネルギッシュな音楽性と完璧にマッチしていました。彼の叩くビートには日本のパンクロックを代表する音像があり、多くのドラマーに影響を与えています。

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使用ドラムセット（シェル）一覧と特徴【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

THE BLUE HEARTSのドラマー梶原徹也は、活動時期によって様々なドラムセットを使用してきました。バンド初期（1985〜87年頃）にはLudwigの22×14/13×9/16×16インチ構成のメイプルシェルを使用。その太くて温かみのある音色がTHE BLUE HEARTSの初期サウンドを支えていました。 1990年代になるとYAMAHAのRECORDING CUSTOMシリーズ（22×16/12×8/16×16インチ構成、バーチ材）を使用。このキットは宮田和弘氏から譲渡されたもので、タイトで力強い音色が特徴でした。 バンド解散後の2003年以降のソロワークではPearlのMasters Custom（24×16/13×10/16×14インチ構成、メイプル）を採用。大口径バスドラムの迫力ある低音が梶原のソロ作品に厚みを与えています。 Thunderbeatでの活動時にはCanopusのyaibaシリーズ（22×16/12×8/14×12/16×14インチ構成、メイプル）を使用し、その明るく抜けの良い音色が特徴でした。 ブルーハーツ復帰ライブではTAMAのSTARCLASSIC（22×16/12×8/16×16インチ構成、バーチ/バスウッド）を起用。スタジオレコーディングではPearlのREFERENCEシリーズ（22×18/10×8/12×9/16×16インチ構成、メイプル）を使用し、繊細なニュアンスを表現しています。

使用ドラムセット（シェル）機材表【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

使用スネアドラムの種類と特徴【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

THE BLUE HEARTSの初期、梶原徹也はPearl製のVintageシリーズを愛用していました。メタル素材の14×5インチで、レモネードヘッドと20本のスナッピーを組み合わせることで、パンクロックに必要な鋭いアタック音を生み出していました。 バンド活動中期以降は、Ludwig Supra-phonic LM-402が定番機材となります。アルミ素材の14×6.5インチというやや深めのシェルに、コーテッドヘッドとノーマルスナッピーを組み合わせ、サスティンの長い芯のある音色を実現。この組み合わせが「リンダリンダ」など代表曲のドライブ感を支えました。 ソロ活動期にはYamaha Steve Gaddモデル（バーチ材14×5.5インチ）を使用。アンバサダーヘッドと20本スナッピーで明瞭度の高いサウンドを獲得しています。 また、Brady製メイプルスネア（14×5.5インチ）もセッティングの一つとして活用。ピンストライプヘッドとカスタムスナッピーで、ウッド特有の豊かな中音域を持つ温かみのあるサウンドを引き出しています。

使用スネアドラム機材表【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

使用シンバルの構成と種類と特徴【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

THE BLUE HEARTSの元ドラマー梶原徹也が使用していたシンバル構成は、そのパンクロックスタイルに最適化されていました。基本となるハイハットには14″のZildjian製を使用し、ヴィンテージサウンドを活かした力強いビートを刻みました。クラッシュシンバルはA Customシリーズの18″と17″を使い分け、前者は明るく鋭い立ち上がりが特徴で、後者はアクセント用として活用。さらに重厚なサウンドを求める場面ではKシリーズの19″クラッシュを採用し、ダークで太い響きを演出しました。 ライドシンバルには20″のA Customを選び、そのクリアなピンポイント音でフレーズを展開。エフェクト用として10″のA Custom Splashでクイックアクセントを付け、18″のOriental China Trashで独特の破裂音を生み出しました。これらZildjianシンバルと16″のTAMA Artstar Floor Tomの深い低音が融合し、梶原の激しくも緻密なドラミングを支えていました。

使用シンバル機材表【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

使用ペダル・ハードウェアの構成と種類と特徴【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

THE BLUE HEARTSのドラマー梶原徹也は、パンクロックの疾走感あるビートを支えるため、機能性の高いハードウェアを選択していました。キックペダルにはPearlのPDX100を愛用し、その硬めの打感で力強いキック音を生み出していました。また、高速連打が必要な楽曲では、TAMAのSPEED COBRAも使用していたと言われています。 スタンド類はTAMAの製品を中心に構成され、SS-900スネアスタンドの安定感ある台座設計、HS-700ハイハットスタンドの軽快なアクション、CS-755シンバルスタンドのブームタイプによる角度調整の自在性を活かした演奏スタイルを確立。D-103Aドラムスローンは長時間の激しいライブでも疲れにくい設計で、MC66タムホルダーをMTH900Bに装着して使用することで、安定したセッティングを実現していました。この緻密に選ばれたハードウェア構成が、彼の正確なタイミングと爆発的なエネルギーを支えていました。

使用ペダル・ハードウェア機材表【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

使用スローン（椅子）＆スティック種類と特徴【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

THE BLUE HEARTSのドラマー梶原徹也は、パンクロックの疾走感あるビートを支えるため、機能性の高いハードウェアを選択していました。キックペダルにはPearlのPDX100を愛用し、その硬めの打感で力強いキック音を生み出していました。また、高速連打が必要な楽曲では、TAMAのSPEED COBRAも使用していたと言われています。 スタンド類はTAMAの製品を中心に構成され、SS-900スネアスタンドの安定感ある台座設計、HS-700ハイハットスタンドの軽快なアクション、CS-755シンバルスタンドのブームタイプによる角度調整の自在性を活かした演奏スタイルを確立。D-103Aドラムスローンは長時間の激しいライブでも疲れにくい設計で、MC66タムホルダーをMTH900Bに装着して使用することで、安定したセッティングを実現していました。この緻密に選ばれたハードウェア構成が、彼の正確なタイミングと爆発的なエネルギーを支えていました。

チューニング・サウンドメイク・EQの工夫と特徴【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

梶原徹也は、THE BLUE HEARTSにおいてパンクロックの爆発的なエネルギーを支えるドラミングスタイルを確立しました。特にスネアは打面をやや強めに張り、裏面は中程度の張りでクリアなアタック感を引き出していました。バスドラムにはフロントヘッドに小さな穴を開け、内部にフェルトを入れることで、低域の暴れを抑制。ライブではテープによる簡易的なミュートを施し、特にタムはムーンジェルを使用せず、自然な減衰を活かした「気持ち良く鳴らす」アプローチを重視していました。

ミックス処理では、スネアは1.2〜2.5kHz帯域を+3dB程度ブーストして叩いた瞬間の「パキッ」とした音を強調し、200Hz付近をカットしてモコモコ感を排除。バスドラムは60〜80Hz帯をほどよく残しつつ、150Hz付近を抑えることで芯のある音を実現。ハイハットとシンバルは10kHz以上の帯域を適度に持ち上げ、パンクロックならではの勢いを表現。コンプレッサーはスネアに対してアタックを速め（1〜2ms）、リリースは中速（80〜120ms）に設定し、躍動感を維持しながらもコントロールされた音作りを行っていました。

レコーディングとライブでは意識的にサウンドを使い分け、スタジオでは各部位の分離感を重視し、ゲートやコンプの設定も緻密に調整。一方ライブでは、特にタムとフロアタムは張りを若干緩め、広がりのあるサウンドを意識。シンバルワークはパンクロックの疾走感を支えるため、ライド/クラッシュともに歯切れの良さを重視し、ライブでは残響をやや多めに設定してスペース感を演出。結果として、スタジオではタイトなサウンド、ライブでは会場空間を意識した臨場感あるドラムサウンドを使い分けることで、THE BLUE HEARTSの音楽性に最適な土台を提供していました。

比較的安価に音を近づける機材【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

THE BLUE HEARTSの梶原徹也サウンドを手頃な価格で再現するなら、まずはパールのEXPORTシリーズがおすすめです。彼が使用していたPearl MLXと比較的近い音色が得られ、シンプルで力強い音作りの基礎となります。スネアはPearlのスチールスネア（STシリーズ）を選べば、パンクロックに必要な芯のある鋭い音が手に入るでしょう。

シンバルはZildjianのAシリーズやPaisteの2002シリーズの中古品を探すと、梶原さんが好んだ太くて明るい音色に近づけることができます。特に16〜18インチのクラッシュシンバルは、パンクのアクセントに欠かせない要素なので優先的に良いものを選びましょう。ハイハットは硬めの音が特徴的なので、ミディアムウェイト以上の厚みのあるモデルを選ぶのがポイントです。

ペダルについては、Pearl P-930やTama Iron Cobra 200シリーズなど、比較的手頃な価格帯の単機能モデルで十分対応できます。梶原流のシンプルで力強いビートを刻むには、複雑な機能より安定性が重要なので、基本性能が高い中級機でも十分表現力を発揮できるでしょう。バスドラムは22インチで深めのシェルを選び、やや低めのチューニングにすると、THE BLUE HEARTSらしい力強いサウンドに近づきます。

比較的安価に音を近づける機材表【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

ライブセットアップについて【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

梶原徹也のドラムセットは、ステージ中央やや右寄りに配置されることが多く、他のメンバーと視線が合わせやすいポジションを意識していた。基本的には4点セットのシンプルな構成で、ハイハットとスネアを中心に力強いビートを刻むスタイルを貫いた。ステージでは常にメンバー全員が近い距離感で演奏し、ライブの一体感を高める配置が特徴的だった。

マイクに関しては、バスドラムには専用マイクを設置し、スネアには上下からマイキングする場合が多かった。オーバーヘッドマイクは2本使いのXY方式を採用することが多く、生々しいドラムサウンドを会場に届けていた。またライブではシンバルのニュアンスまで拾えるよう、マイク位置に細心の注意を払っていたことが知られている。

代表的なライブ映像では「TRAIN-TRAIN」や「リンダリンダ」での疾走感あるドラミングが見どころ。特に「1987.7.4渋谷公会堂」の映像では、梶原のシンプルながらも力強いドラムプレイと、終始立ったまま演奏するエネルギッシュなパフォーマンスを確認できる。また、終盤のテンポアップでは怒涛のドラミングを展開し、THE BLUE HEARTSのパンクスピリットを体現している。

総括まとめ【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

梶原徹也の音作りの核は、パンクロックのシンプルさと力強さにある。ストレートなビートを基本としながらも、THE BLUE HEARTSのエネルギッシュな楽曲に合わせ、時にタイトに、時に荒々しく叩き分ける独自のグルーヴ感が特徴的だ。そのリズムワークはバンドの爆発的なサウンドの土台となり、日本のパンクシーンに大きな影響を与えた。

再現する際の重要ポイントは、ややタイトに調整されたスネアと、明るく抜けの良いシンバルの組み合わせだ。特にスネアは高めのチューニングで、キレのある音色が求められる。セットはコンパクトながらも力強い音を出せるよう、やや深めの胴のタムとフロアタムを使った構成が基本となる。

梶原のドラミングの本質は、機材の良し悪しではなく演奏に込める情熱にある。THE BLUE HEARTS時代から、高価な機材に頼るのではなく、自分の感性と技術でサウンドを作り上げる姿勢を貫いてきた。彼の「音は叩き方で変わる」という哲学は、パンクロックというジャンルの精神性とも一致し、多くのドラマーに影響を与え続けている。

本記事参照サイト【THE BLUE HEARTS・梶原徹也】

本記事は下記公式サイト等を参照して作成しています。

• Sound Factory Studio
• 山陰中央新報
• Wikipedia